出版社内容情報
恋に溺れながら、私の愛は渇いていく……。急逝した親友の不倫相手と会ったエリカは、彼との逢瀬を重ねていくが。高ぶるほど空虚、充たされるほど孤独。現代の愛の不毛に迫る長篇恋愛小説。
内容説明
急逝した親友の告別式の夜、その不倫相手と、二人で飲んだのをきっかけに、エリカは、いつしか彼との恋愛にのめり込んでいく。逢瀬を重ねていった先には何が…。高ぶるほど空虚、充たされるほど孤独。現代の愛の不毛に迫る長篇。
著者等紹介
小池真理子[コイケマリコ]
1952年10月、東京都生まれ。成蹊大学文学部卒。出版社勤務を経て、78年にエッセイ『知的悪女のすすめ』を発表。85年より小説を手がけ、89年「妻の女友達」で第四二回日本推理作家協会賞(短篇部門)、96年『恋』で第一一四回直木賞、98年『欲望』で第五回島清恋愛文学賞、2006年『虹の彼方』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キンモクセイ
53
明るく何事も楽しく生きていた親友の蘭子が40歳の若さで亡くなった。バスルームで秘密の詰まった携帯をバスタブの中に落として不貞の証拠を全て消すかのように。一緒に葬儀場に行ってほしいと蘭子の秘密の恋人だった湯浅竹彦から連絡があった。湯浅は狙いを定めた女は必ず落とし関係を持ったら自然とフェードアウトしていく最低な男。自分とは関係ない男だと思っていたのに。いつの間にか携帯を気にして彼が言う女性が喜ぶようなセリフに歓喜し、もっと言って欲しいと思ってしまう。恋は一種の狂気。理性も意志もなくなるくらい不思議な力がある。2022/03/26
せいじ
29
突然この世を去ってしまった親友蘭子が密やかな関係を持っていた男、湯浅と恋愛にのめりこんでゆくエリカ。湯浅はストレートな愛情表現をするがどこか計算めいていて鼻につく。しかし段々深みにはまってゆくエリカ。成熟した大人であっても一度恋に堕ちてしまうとそこには理性が働かなくなる。だが深みにはまるほど鳴り響く不協和音、猜疑心そして嫉妬。複雑な女性の心理を表現するのが小池真理子さんとても上手い。ブリザードフラワーは予測はついたがその後のエリカの行動は予想外。空虚感、孤独を描いたらやはり抜群にうまいと思った。2018/05/16
まひと
27
湯浅のような男は嫌いだ。しかし、きっと私含め多くの女性が惹かれてしまうのはこんな男なのだろう。愛されていないとどこかでわかっていながら、関係を続けてしまうエリカ。愛されたいし愛したい…なんて相思相愛が成り立つことはひどく難しい気がする。「もとより人間とは、そういう生き物なのかもしれなかった。自分自身を潔く肯定しない限り、一歩も前には進めない。否定すれば、否定したその瞬間に、愛しい男との関係も、自分が安住していたはずの現実も、すべて否定してかからねばならなくなる」この作品は私にはまだ早かったかな(笑)2014/08/14
シュラフ
26
だめだよ、そんな男にひっかかったら。そんな声をかけたくなるのだが、エリカは亡くなった親友の不倫相手の手練手管にオチてしまう。どうして美人というのはつまらない男にひっかかってしまうのか。そんな女の心の変化するさまが読めて実に面白い。警戒感⇒関心⇒焦燥感⇒驚嘆⇒好意⇒歓喜⇒嫉妬⇒喪失感・・・エリカの心は男によってかき乱される。"そうか女というのはこうやってオトせばよかったのか"とは思うのだが、女の誕生日にバラ401本を贈るような小遣いはないな~。「ぼくが食べたいのはあなた」なんてセリフ言ったら口が曲がりそう。2015/08/13
shoko
25
小池さんの描く女性はいつもとても魅力的なのだけど、エリカは少し違った。だけど後半になるにつれ現れてくる本物のエリカがこそが、なんて言うのか40代独身女性のリアルなのかもしれないな、と思った。2020/10/13