中公文庫<br> ヴァンダル興亡史―地中海制覇の夢

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中公文庫
ヴァンダル興亡史―地中海制覇の夢

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  • サイズ 文庫判/ページ数 206p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122048249
  • NDC分類 230.4
  • Cコード C1122

出版社内容情報

蛮勇の民族として名を残したヴァンダル族の歴史。人々に知られていないその本当の姿とは?定評ある独特のリズムある文体で描くヨーロッパ史の常識。

内容説明

五世紀中ごろ、ゲイゼリック王に率いられて一時は北アフリカまで征服し、地中海に君臨したゲルマン系の一部族・ヴァンダル。移動と戦いを繰り返し、六世紀の半ばに東ローマ帝国に滅ぼされるまでの足跡を、民族大移動の流れの中に活写。

目次

1 民族大移動の波涛のひとつ(前一世紀~四二九年)(流浪のはじまり;ゲルマニアとローマとのかかわり ほか)
2 アフリカ(四二九~四三九年)(当時のアフリカは…?;東へ ほか)
3 国造り…海賊国家?(四三九~四七七年)(前哨戦;本番、行動開始 ほか)
4 ポスト・ゲイゼリック(四七七~五三〇年)(宗教問題;フネリック ほか)
5 滅亡(五三〇~五五三年)(東の皇帝ユスティニアヌス一世;ゲリメル、その戦い ほか)

著者等紹介

松谷健二[マツタニケンジ]
1928年東京生まれ。翻訳家、ドイツ文学研究家。東北大学文学部文学科卒。専攻は独文学。静岡薬科大学講師、山形大学人文学部助教授、教授を経て、78年フリーの翻訳家となり、のちには小説も手がけた。98年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

80
この本は昔読んだことがあり、読み友さんの感想を読んで再度引っ張り出してきました。ゲルマン民族の一部族がスペインからアフリカのカルタゴまで移動したということは驚きです。ゲイゼリックという男を主人公にした冒険物語のような感じです。この作者によるある程度の作り話的なところはあるのでしょうが、楽しめます。ほかのカルタゴや東ゴートの話も読みたくなります。2015/08/23

ゲオルギオ・ハーン

20
ヴァンダル王国を題材にした本。内容の正確さはさておき同時代の東ゴート王国やビザンツ帝国に比べて知名度が低く、どういう国だったのか知られていないヴァンダル王国のざっくりとした紹介としては読みやすい本。かなり著者の推測や思い込みはあるけれど、前半は建国の祖にして強力な王ゲイゼリック、後半はビザンツ帝国の名将ベリサリウスの活躍を魅力的に書いていて英雄譚のようだから歴史小説として読むのがちょうどいいかもしれない。2021/07/20

ホームズ

19
ゲルマン民族の大移動の時代に現れた国々についてはあまり授業とかでも習わなかったし関連した本も読んでこなかったので面白かった。ヴァンダル王国とは直接関係ないけど西ローマを滅ぼしたオドアケルが意外に有能な人物だったらしいというのは興味深かった。後半は東ローマ皇帝のユスティニアヌスによる攻撃の話がメイン。ユスティニアヌス自身についても知りたかったので良かった(笑)もっと歴史の勉強をしたかったな~。2012/11/19

aisu

16
ゲルマン系のヴァンダル族は安住の地を求めスペインからアフリカへ…。一時はカルタゴも制覇し、一大勢力となるが、東ローマ帝国に滅ぼされる。東ローマ皇帝ユスティニアヌスやその部下ベリサリウスなど、ローマ人の物語でお馴染みの方々登場。ゲイゼリックとテオデリックを対比させてみたりと興味深かった。2015/06/14

11
民族移動の潮流のひとつにヴァンダル族がいた。といっても、この本を読むまでその存在を知らなかったのだけども。蛮族らしい(というと語弊があるだろうが)勇猛さから一転し、文化的享楽を知って堕落(弱体化)する過程は興味深い。どうもこの性質は人である限り繰り返されるもののように思う。建国してから滅びるまでの短い間に駆け抜けた繁栄と衰退は読んでみると明快で分かりやすい。そして最後の王の時代に合わぬ余命は、本当に本人にとってはどんなものだったのだろう…。しかし著者の文章とは相性が悪かったのか飲み込むのに苦労した。2013/05/16

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