中公文庫
ジャンヌ・ダルクの生涯

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  • サイズ 文庫判/ページ数 234p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122045781
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C1195

出版社内容情報

13歳で神の声を聞き、17歳で祖国フランスのために剣を取って起ち、19歳で火刑台に散った男装の少女――数多の伝説を生んだ「奇跡の乙女」の実像に迫る歴史エッセイ。

内容説明

17歳で剣を取り、祖国フランスを救ったジャンヌ・ダルク―。神のお告げを聞いた生まれ故郷ドンレミから、戦勝を重ねたオルレアン、ノートル・ダム大聖堂における戴冠式、そして炎に包まれ19年の生涯を終えた街ルーアンまで、「男装の少女」ジャンヌ・ダルクの謎につつまれた生涯をたどる歴史エッセイ。図版68点収戴。

目次

第1章 ドンレミの奇跡(ジャンヌ・ダルクの謎;多情な王妃の罪;ドンレミ奇跡の正体;ジャンヌは、普通の少女か)
第2章 ロワールの宮廷(陰の女性ダラゴン;奇跡の演出者;シノンの出会い;ポワティエの処女証明;司令官ジャンヌ)
第3章 オルレアンの謎(千の顔を持つ乙女;オルレアンへ;オルレアンの戦闘;なぜジャンヌは勝ったのか)
第4章 ランスの栄光(新なる敵;エクスタシィを感じるか;戴冠への道;栄光の輝き;貴族の宿命)
第5章 ルーアンの悲劇(悲劇の始まり;ジャンヌが捕虜になった事情;運命のルーアンへ;ジャンヌ裁判の真相;聖女ジャンヌ;永遠の乙女)

著者等紹介

藤本ひとみ[フジモトヒトミ]
長野県生まれ。十二年間の公務員生活を経て作家となる。西洋史への深い造詣と綿密な取材に基づく歴史小説に定評がある。フランス革命期を主題に据え秘められた歴史に光をあてる作品群や、犯罪心理小説などで脚光を浴びる。フランス政府観光局名誉委員、フランス・ナポレオン史研究学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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コウメ

65
本当に謎めいた女性だよねって読んだ後に思った。「ジャンヌ・ダルク」って生前はジャンヌとしか呼ばれなくてフルネームで呼ばれるようになったのは亡くなって20年以上経ってから。家族構成も父と母の名前はしっかりわかっているが、ジャンヌを除いた息子と娘の生年月日もわかってなかったりする。13歳で神の声を聞き、16歳で剣を取って、男装をして17歳で初戦し勝利。19歳で火刑台で生涯を終える。驚きの連続!!それにジャンヌ・ダルクは信仰深いという事実も凄かった。戦争に勝利しても告解したり、神の望む間は処女を守り、教会の鐘を2020/04/07

白狐

10
著者独自の視点で書かれている。客観的にみるにはいい資料だと思う。ジャンヌ・ダルクを取り巻く環境が、私の理解力不足もあってよくわからなかった。内容が濃い。2017/08/28

しろ

10
☆6 ジャンヌ・ダルクについての論文的エッセイ。彼女を聖少女から生身の人間へと捉え直している。そうすることでその偉大さを、神聖的ではなく人間的に表していた。ただ知る分には良かったけど、だに出てくる著者の声は好きじゃなかった。他人の資料や説は「そうは思わない」で切り捨て、自分の資料や説は疑わない。引用する論も固定の研究者だし。フィクションだと許せるけど、論文ーー特に歴史学だと詭弁感が拭えない。男尊女卑にもよく反応するが、逆説的に認めているようにしか見えない。とにかく、自分は頭良くて正しいと思っていそう。→2012/01/22

もももん

6
女性目線の書き方で土地の情報、現在の城塞の写真などなど、、分かりやすく読みやすかった。ラストは火刑にかけられることがわかってて読み進めていくと後半は切なくなって来る感じだった。まだ十代の女の子が戦争に参加しフランスを救うために命がけで駆け抜けていく感じが現代では想像もつかないが、彼女が現代でも世界中で愛されているのは納得。2017/02/27

ハル

6
マーク・トウェインの作品にはキリスト教の宗教観が強く、奇跡が多く描かれていたが、こちらは冷静な考察、分析により表現されて判りやすかった。英国軍に包囲されていたオルレアン(一度は行ってみたい)を救い、シャルル7世をランスの大聖堂での戴冠式に先導したが、フランスの中央ロワール地方に逃げて優雅に暮らす貴族連中は自己保身しか考えず、ジャンヌを裏切り火刑に至るも何ら行動しないとは情けない。ルーアンの火刑場から大時計の先に大聖堂が見え、最期のシーンが容易に思い描かれるが、跡地にできた教会は変わった形でそぐわない。2015/04/13

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