内容説明
東方の大国“征”の中原制覇を阻むため、段大牙は宿敵・耿無影との秘密裏な交渉にむかう。無冠の謀士・耿淑夜は、かつて兄と慕い、やがて仇となって斬りつけた“衛”王・無影と、交渉の席で四年ぶりの再会を果たした。無影が語る思いがけない真実に当惑し、淑夜の凝り固まった憎しみも流れさろうとするが、ひとときの邂逅に終わりを知らせる凶報は、新たなる戦場へ漢たちを疾らせていた。
著者等紹介
井上祐美子[イノウエユミコ]
姫路市生まれ。神戸大学卒。『長安異神伝』『五王戦国志』などで人気を博した後、本格的な中国歴史小説に取り組み、『桃夭記』で吉川英治文学新人賞候補となる。清朝の礎を築いたドルゴンと清初の漢人武将・呉三桂の半生を描いた『紅顔』『海東青』、花に寄せた中国歴史短篇集『非花(はなにあらず)』など、斬新な切り口の小説を発表。歴史小説界に新風を巻き起こす期待の若手である
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感想・レビュー
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シュウ
5
1001日目。1032冊目。淑夜は知りたいと思っていた無影を知った。羅旋との再開と巻末の出来事は、今後の淑夜と大牙にどんな選択をさせることになる一石となるのだろうか。2015/09/28
YH
2
再読。でも、内容を全く覚えてないので、最後に統一を果たすのは誰なのか気になる。2019/09/20
Mu@芒羊會
1
大牙と淑夜そして羅旋がそれぞれ拠って立つ国を定め外へ向かおうとする巻。主要な登場人物たちがそれぞれの立場で向き合う機会が訪れる。淑夜と無影の再会は互いの想いを知ることができたという意味ではよかったのだろう。でもそれが少しも前向きな関係には向かわなかった。一方、羅旋との再会は合戦のさなか敵としての再会なのになんてワクワクするんだろう。まさしく本巻のハイライト。ラスト、大牙が王になる展開は、思っていたのとは異なり苦い選択になった。この選択は不吉なのか、それとも困難が大きいほど得るものも大きくなるのか?気になる2014/07/09
黒蜜
0
面白かったです。淑夜・大牙vs羅旋という一戦があるのが面白い。ところで女性のせいか、みなキャラクターがロマンティック過ぎるのが鼻についてきた。特に淑夜と無影は。2014/03/05
akizuki_b
0
淑夜と無影が4年ぶりに再会。無影が一族を滅ぼした理由がわかったものの、それでも無影が許されるはずもなく。淑夜が巻を増す毎にたくましくなっている。羅旋が率いる琅との戦いは、羅旋が相手のせいかあまり緊迫感がないまま終わり、いずれこの人達はまた手を組むんだろうなー、という感じ。2012/12/25