中公文庫<br> 海嘯

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中公文庫
海嘯

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  • サイズ 文庫判/ページ数 325p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122040823
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

内容説明

江南の地に栄華を誇る大宋帝国に、怒涛の鉄騎・元軍の蹄の音が迫っていた。元はフビライの号令一下、長江を越え、鉄血の海嘯―巨大な津波となって大陸を飲み込んでいく。ついに宋三百年の命脈は尽き、朝廷は都・杭州臨安府を開城、降伏を余儀なくされる。しかし気概ある文官、武将たちは、幼帝を戴いて二千艘の船で南下、宋国再建を誓うが…。時代の激流に抗い、亡国の危機に己を貫いた男たちの群像。

著者等紹介

田中芳樹[タナカヨシキ]
1952年10月、熊本県生まれ。学習院大学大学院博士課程(国文学)修了。88年に『銀河英雄伝説』で星雲賞(日本長篇部門)を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

如水

26
良くこのページ数で『国の滅亡』を描き切ったな、が第一感想。よって内容が超濃厚(笑)&歴史を全く知らなくても楽しめるかと。話は1275年、『元』の皇帝フビライが南宋征伐が佳境に入った所から。宋国が滅びるのを待つか、防ぐか、それとも逃げ出すか、文官・武官達が右往左往としている間にもフビライは着々と手を打っていき、とうとう首都臨安にも…と言う内容。亡国側の視点から描かれているので、元の行軍は正しく鉄血の海嘯(巨大津波)。哀愁を感じさせながら、時には矛盾を感じながら、国が滅びる様をヒシヒシと感じられる御話しです。2023/11/15

フミ

19
日本で「元寇」があったのと同時期に、滅亡させられた「中国・南宋」の最後の3年ほどを、様々な忠臣たちの生き様を軸に描いていく群像劇です。ひたすら国への忠義を尽くして亡くなっていく人々の中で、周囲に期待を持たれながらも、責任に耐えられず、生き延びてしまった宰相、「陳宜中(ちんぎちゅう)」という人物に、温かい同情の目が向けられているのが印象的です。 しかし、作者様の書きたい情報量に対して、315頁程というページ数は、少なすぎた印象がありますね。あと、巻頭の地図を、もっと細かくしてくれていると嬉しかったかな…。2023/02/21

keisuke

9
再読。後書きにあるけど、文天祥をあえてone of themとして書いとるから、他の田中作品に比べて読みづらい印象。2015/05/17

みつ@---暗転。

6
***** 争乱の五代を経て、南宋から元の支配下に降ることになる中国大陸。その地で元の起さんとする大津波に、最後まで抵抗し続けた勇ましくも愚かな南宋の男たちの物語。亡国となる宿命故に、武将らは次々と斃れていく。凄絶なる闘死を遂げる武将。縄目の屈辱を耐え、頑なに元に降ることを拒み処刑を待つ勇将。亡き祖国と共に、嵐の海へと消えた猛将。幼帝を背に、共に沈んだ文官。奥底に流れる哀切に満ちながら、活き活きと描き出される文武官たちの姿に引き込まれた。宿命と志の間の矛盾に翻弄される姿は、なんとも形容し難いものである。2013/06/30

しんた

5
クビライVS南宋 登場人物多いのでくじけそうになった。結局主人公誰?文天祥のすごさが理解できないまま終わった。2015/03/08

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