内容説明
紛々たる乱離の世―小国が乱立した五代十国時代、わずか十四歳で即位し二十歳で逝った少年王の生涯を描く「潮音」など、珠玉の中国歴史短篇七作。さらに、岳飛の魅力や『岳飛伝』編訳の内幕を語った森福都氏との対談を含め、ともに中国史に魅せられた同志との対談五篇を収録。物語の発見、英雄との出会い…歴史と語らう楽しみに満ちた田中芳樹・中国歴史読本。
目次
第1部 田中芳樹 中国歴史小説の世界(宛城の少女;匹夫の勇;騎豹女侠;茶王一代記―五代群雄伝;張訓出世譚―五代群雄伝;潮音―五代群雄伝;風梢将軍)
第2部 田中芳樹 中国史の魅力を語る(中国ロマンの世界;知られざる英傑の物語;本格武侠小説入門;物語をおいしくするレシピ;岳飛の魅力、中国史の魔力)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
18
2002年刊行の、田中芳樹の書く中国歴史短編小説7編と、5編の対談集。短編は「宛城の少女」(西晋の時代)、「匹夫の勇」(隋の時代)、「騎豹女侠」(唐の時代)、「茶王一代記」「張訓出世譚」「潮音」(五代十国の時代)、「風梢将軍」(南宋の時代)。対談の相手は、井上裕美子、鄭問(チェン・ウェン)、土屋文子、岡崎由美、森福都の諸氏。──思うんだ。田中氏は、こういうお話をずっと書いていて欲しかった。政治に絡む発言はやめて欲しかった。岳飛が大好きで三国志苦手でいいからさ、ねえ? あ、8~80歳の子供向け冒険ものもね。2024/03/30
smatsu
4
田中芳樹は結構作品に当たりはずれがある作家さんという印象があるが、時々書いている中国物は割と当たりが多い印象がある。本書は様々な時代の史書や説話から拾った話から作者なりに翻案して短編小説にまとめた作品が七編。これが第一部で、第二部は他の中国物の作家や中国文学の研究者をゲストに呼んだ対談集になっています。ゲストは井上祐美子、鄭問、土屋文子、岡崎由美、森副都。初出はだいたい二〇〇〇年前後なのでもう二十年前の出版。鄭との対談で田中氏が面白いことを言っていて、「今の漫画や娯楽小説にあるのは…(コメントへ続く)2021/12/02
よっちゃん
2
中国を舞台にした作品。初読み作家、SF作家と思っていました。2017/10/29
緋莢
2
五胡十六国時代や五代十国時代に材を取った中国歴史短篇七作と中国歴史作品の魅力を様々な人と語り合う対談五篇を収録した本2009/06/26
ハシヒロ
1
五代十国など、面白い短編には文句なし。ただ、他の中国史に対する愛情からか、必要以上に三国志(といういり、三国志好きな人)を下に見るのはどうかと思う。2011/03/07