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中公文庫
新訳 君主論 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 244p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122040120
  • NDC分類 311.6
  • Cコード C1131

内容説明

中庸が最高の徳とされてきた中世イタリアで、上に立つ者の資質を根底から再考した、歴史を超える普遍的な論考。君主は善悪ではなく人間性をみて他人の行動を予測し、常に臨戦態勢であるべきと大胆に提言する。

目次

君主国にはどんな種類があり、その国々はどのような手段で征服されたか
世襲の君主国
混成型の君主国
アレクサンドロス大王が征服したダレイオス王国は、大王の死後も、後継者への謀反が起きなかった。その理由はどこにあるのか
都市、あるいは国を治めるにあたって、征服以前に、民衆が自治のもとで暮らしてきたばあい、どうすればよいか
自分の武力や力量によって、手に入れた新君主国について
他人の武力や運によって、手に入れた新君主国について
悪らつな行為によって、君主の地位をつかんだ人々
市民型の君主国
さまざまの君主国の戦力を、どのように推しはかるか〔ほか〕

著者等紹介

マキアヴェリ,ニッコロ[マキアヴェリ,ニッコロ][Machiavelli]
1469‐1527。フィレンツェの政治思想家。少年時代より独学で古典教養を身につける。外交・内政・軍事の官僚政治家となり国内外で活躍、様々な型の君主と身近に接する機会を持つ。政変にともなって追放処分を受け、失意の日々に『君主論』を執筆、没後出版された。危機的状況を踏まえた激しい内容から権謀術数に長けた非道な思想家と呼ばれたが、19世紀になって、同時代のレオナルド・ダ・ヴィンチ同様人間を冷徹な目で観察し科学的に認識した人物として高く評価される

池田廉[イケダキヨシ]
1928(昭和3)年東京都生まれ。京都大学文学部卒。京都大学大学院修了。大阪外国語大学教授を経て同大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みゃーこ

45
「君主」を自分、家庭の長、会社の役割、その他諸々、読者の目的に応じ主語に置き換えて読んでみると普遍的な論理に思い当たる箇所が随所にあてはまり、生きることが面白くなり、ワクワクする思索を体験できる一冊だった。いつの世のリーダーもこれを熟読したに違いないと思わせる一節が散りばめられており、あの人もこの人もこの箇所を応用しているのかな。と思われるほどに、他の本の参考文献にも度々とりあげられている必読書である。独創的理論は歴史を超えた普遍的人間心理考察で結ばれており、翻訳解説ともに読みやすい。2015/06/26

かわうそ

35
光文社訳よりも遥かに読みやすいのでおすすめです。民衆に愛されるよりも恐れられる方が良いのです。民衆の財産や女性に手を出して恨まれるようなことは必ず避けなれければいけなくて、さらには、加虐的な行為は小出しにするのではなく、必ず一挙に遂行しなければなりません。そして、臆病になるよりも果断に進まなければ運命を征服する事は出来ないのです。臆病は何よりも破滅を招くものだといえます。2022/05/15

cockroach's garten

34
目的のためなら手段を選ばない思想「マキャベリズム」の元となった書である『君主論』。読んでみると、悪どい戦術を好むという訳ではないのが解る。マキャヴェリの箴言はまだキリスト教に基づいた観点からは非道であると映ったのだろう。マキャヴェリは徹底したリアリストであった。「模範的ルネサンス人」とでも喩えたい。面白いことに、マキャヴェリの失敗例を後のイタリア統一を目指したサルデーニャ王国が実行してしまう。『君主論』は書かれた当時以外の国家にとっても有用な本だったのかもしれない。2020/12/28

シュラフ

34
マキアヴェリの『君主論』というとさぞかし冷酷無比なことが書いてあるのかと思いきや、きわめて妥当な内容であった。題名の通り君主のあるべき姿勢について書かれているのだが、そこで論じられているのは大衆というものの本質である。だからこそ本来的には君主制のない現代の先進国においても古典として読み続けられるということだろう。リーダーたる者は有事の際は信義則に反しようとも非情の決断をもって問題解決に取り組まなければならない。大衆というのはその結果だけを見て判断するものであるという。ビジネスの現場でも同じことがいえる。 2016/02/06

小木ハム

26
ナポレオン、ヒトラー、スターリンも愛読したと伝えられる独裁者のバイブル?お隣の総書記や国家主席も読んだのだろうか。恐怖政治の内容かと思いきや『"よりよい統治"のためには非道徳的な行為も許される』『冷徹な合理者であれ』『恨みを買ってはならない』など最終的には民のためを前提にしている。『面子が潰れると滅ぶ』はまさにお隣さんが身をもって示してる信条。これは度を越すとエーリッヒフロムの言う悪の定義"悪性ナルシシズム"へ転じる。感情を排し人間の合理的な面を観察して書かれた古典。ヨーロッパの歴史に疎いとややしんどい。2020/12/05

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