内容説明
19世紀に初めてアンコール・ワットを詳細に報告、世界を驚嘆させた、フランスの探検家アンリ・ムオ。1858年よりシャム(現在のタイ)、カムボジァ、ラオスを巡って著した貴重な紀行、待望の復刊。
目次
航海―シャム並びにその首都バーンコークの第一印象
バーンコークの住民―シャム人―男、女、子供―家族主義―不思議な対照―迷信
シャム王―その博識―王宮
第二王―階級制度と高官の頽廃―寵妃と娘子軍
博奕と芝居
メーナムの遡航―河畔及び水上生活者並びに船―アユタヤの今昔―王室編纂史の一節
パクプリオ―プラーバート山―法親王―寺とパゴダ―仏陀の足―地質学上の痕像
パタウイ―壮観―バーンコークへ帰る
カムボジァへ―漁船の旅―チャンタブーン―産物―商業―この地方の概観―シャム湾の群島―鰐はどういて猿を捕えたか
山(サバブ山)の生活―猟―虎―蛇等々〔ほか〕
著者等紹介
ムオ,アンリ[ムオ,アンリ]
1826‐1861。古代クメール文化をヨーロッパに紹介した、19世紀最初の探検家。フランスのモンベリアール生まれ。18歳の時ロシアに渡り、ポーランドやクリミアを旅した。フランスに一旦帰国後、1858年イギリスの援助を受けて単身シャム(現在のタイ)を訪れ、1860年アンコール・ワットに到達、その報告はヨーロッパで高く評価された。熱病を得て35歳で死に至るまで、博物学を目的として旅を続けた
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感想・レビュー
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おとや
1
19Cに行われた仏人科学者によるタイ・ラオス・カンボジアの探検記。穏和な人柄で現地人にも慕われたらしい氏だが、旅行記の随所に現地人を下にみるような表現もあるのは時代の限界もあり、仕方ないところか。のちのアンコールワット保存への道筋を付けたという点でも、氏の業績は大きい。2010/01/16
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アンリ・ムオは19世紀の探検家で、アンコール・ワットを紹介し有名になった探検家です。厳密には紹介したのは過去に何人かいましたが、この価値を見出し博物学的な視点で紹介したのは彼が初めてでした。 ムオは博物学者で、探検の途中でよく昆虫や植物を採集していました。また、廃墟のこと、民族のこともよく観察し様子を伝えています。単なる宝探しではなく、学術的な探検だったことがよくわかります。