内容説明
文学の領域において公には禁じられていた悪徳とエロスという題材を大胆にとりあげ、久しく禁書の憂き目にあったレチフ、サド。そしてセリーヌ、バタイユ、ジュネ、マンディアルグ、三島由紀夫など、著者偏愛の作家論と、ベルメールなどの絵画論、蔵書論をあつめた評論集。異端文学への秘めやかな誘い。
目次
1 黒い文学館
2 新と旧
3 人と作品
4 光と影
5 書物のある日々
著者等紹介
生田耕作[イクタコウサク]
1924年京都祇園に生まれる。父は料亭の板前長で南座を遊び場に育つ。軍国色の強まるなか、荷風、その後セリーヌを耽読。京都大学文学部仏文科在学中にブルトンの思想に啓示を受け、以降、批評精神の欠如した日本の文化状況を見極め、ジャーナリズムに背を向け、戦闘的論客としての姿勢を保ち続ける。京都大学教授として大学で教鞭をとる傍らバタイユ、マンディアルグ、セリーヌなどの紹介につとめ、編著書のわいせつか否かをめぐって大学とも決別、自ら出版社を設立して孤高の立場を貫く。1994年没
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