出版社内容情報
ノーベル文学賞に輝くチャーチル畢生の大著のエッセンスをこの一冊に凝縮。連合国最高首脳が自ら綴った、第二次世界大戦の真実。
内容説明
チャーチル畢生の大著からその要所を余すところなく抜き出してこの一冊に凝縮。ヨーロッパで、そしてアジアで、どんな決断を迫られたのか。連合国最高首脳自らが迫真の名調子で綴る第二次世界大戦史の決定版。
目次
第1部 ヨーロッパの戦い(勝者の愚行;待ち伏せる危機;情勢悪化;大戦勃発 ほか)
第2部 アジアの戦い(真珠湾攻撃;シンガポール陥落;蘭領東インド喪失;日本軍、ビルマに攻め入る ほか)
著者等紹介
チャーチル,ウィンストン[チャーチル,ウィンストン][Churchill,Winston S.]
1874‐1965。オックスフォードに生まれる。26歳の若さで下院議員に当選。海相として迎えた第一次世界大戦では、作戦失敗の責任を取って辞任し、一中佐としてフランス戦線に赴いた。第2次世界大戦開戦とともに再び海相となり、40年首相に就任。フランスの敗北、イギリス本土の空爆など困難な政局にもめげず、アメリカ、ソ連と協力して最終的な勝利に導いた。戦後の45年、有名な「鉄のカーテン」演説を行う。53年にはノーベル文学賞を受けた
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感想・レビュー
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白義
12
第二次大戦前夜から日本の降服まで、チャーチルの大著から時系列順に抜き出したエッセンス版で、物足りないが最初に読むにはいい。敵といえどもロンメルのごとき名将には遠慮なく賛辞を贈り、彼我の戦況を冷静に把握しようと勤める公平な人柄が文章からも伝わる名文で、ダイジェストな分かえって大戦の流れが把握しやすい。第一次大戦での教訓を踏まえて日本への無条件降伏勧告に反対するようトルーマンと議論をするのは、端的に両者の個性がよく現れている。ノルマンディー作戦の迫力は圧巻2014/04/15
Iwata Kentaro
8
チャーチル評は人それぞれだろうし、彼を「善人」と見るかといえば多々異論もあろう。が、彼がまれに見るリーダーであり、戦争という危機時においてはそのリーダーシップが遺憾なく発揮されたことは間違いない。そして文章が実に上手い。ノーベル文学賞も伊達ではない。日本やドイツに対しても冷徹かつフェアな評価をしていて興味深い。翻って、、、ま、これはやめとこ。2023/02/19
teddy11015544
7
なぜ日本軍は作戦がうまくいかないと計画を放り出したか?日本語が複雑きわまりないからだ。暗号通信に替えることも難しい。//なるほどな。言語ではなく、場の空気は暗号では伝わらないからな。くわしい地図があればもっと良かったが、面白かったですよ。2022/05/01
みなみ
7
終戦ものを何冊か読んでて、積んでたこっちにもようやく手を伸ばしてみた。チャーチルによる第二次世界大戦の回想の抄訳。個人的にはヨーロッパ戦線のほうが好みだった。日本軍についても自殺攻撃(特攻)や全員死ぬまで戦うなど描かれている。2020/09/09
tacacuro
4
第二次大戦の緒戦で香港、シンガポールが次々と陥落していく過程で、チャーチル首相が「名誉のために死ぬまで戦え」という命令を出していたのを初めて知った。曰く、「日本軍の計画は、非常に厳格だったが、計画が予定どおりに進行しないと、目的を捨ててしまうことが多かった」と。チャーチル首相は日本語がやっかいなことが一因だとしているが、計画の遂行自体が目的となってしまっていたということはないのだろうか。2020/03/02