中公文庫<br> 傷だらけの映画史―ウーファからハリウッドまで

中公文庫
傷だらけの映画史―ウーファからハリウッドまで

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  • サイズ 文庫判/ページ数 314p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122038035
  • NDC分類 778.253
  • Cコード C1174

内容説明

ラング、ヒッチコック、フォード、ルビッチなど7人の監督と、名プロデューサー、ウォルター・ウェンジャー。彼らを軸に、ハリウッド30~40年代の映画と映画人をめぐる刺激的なエピソードを語りつつ、従来の映画史を斬新に読みかえる。座談の名手二人が丁々発止やりとりする、興奮に満ちた映画対談集。

目次

1 傷だらけのハリウッド―ウォルター・ウェンジャーの映画史
2 傷だらけの亡命―フリッツ・ラングと『暗黒街の弾痕』
3 傷だらけの映画術―アルフレッド・ヒッチコックと『海外特派員』
4 傷だらけの捜索者―ジョン・フォードと『果てなき船路』
5 傷だらけの巨匠―ヘンリー・ハサウェイと『砂丘の敵』
6 傷だらけの爆笑―エルンスト・ルビッチと『生きるべきか死ぬべきか』
7 傷だらけの諷刺―ルネ・クレールと『奥様は魔女』
8 傷だらけのメロドラマ―デトレフ・ジールクとダグラス・サークあるいはウーファからハリウッドへ

著者等紹介

蓮実重彦[ハスミシゲヒコ]
1936年東京生まれ。東京大学仏文学科卒。62~65年パリ大学に留学。文芸、映画評論家。現東京大学総長。78年『反=日本語論』で読売文学賞受賞。99年フランス共和国芸術文化コマンドール勲章受章。著書に『表層批評宣言』『監督 小津安二郎』『映画の神話学』『映画に目が眩んで』『映画狂人日記』など

山田宏一[ヤマダコウイチ]
1938年ジャカルタ生まれ。東京外国語大学フランス語学科卒。64年より3年間パリ留学、その間『カイエ・デュ・シネマ』誌同人。著書に『トリュフォー、ある映画的人生』『山田宏一の日本映画誌』『山田宏一のフランス映画誌』『新編美女と犯罪―映画的な、あまりに映画的な』など。訳書にローレン・バコール自伝『私一人』、『映画術 ヒッチコック/トリュフォー』(蓮実重彦と共訳)など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネムル

5
「ルビッチは粋で、ワイルダーは野暮。山根貞男は粋で、黒澤は野暮」というハスミンの有名(?)な言葉は、この対談から来てたのね。ハリウッド亡命者のトガッタ映画を積極的にプロデュースし、奥さんジョーン・ベネットの情痴事件から嫉妬に狂ってそのマネージャーの股間を撃ち、後に『クレオパトラ』事件で大惨事になる、名プロデューサーウォルター・ウェンジャーを中心にしたハリウッド黄金期講義。めちゃめちゃ面白くて刺激的。とりあえずは、『駅馬車』が『脂肪の塊』に影響を受けてる説を確認するために、モーパッサンを読まねば。2014/11/23

OjohmbonX

2
映画はみんなで作るもので作家性から免れてたのに、蓮實風の批評が監督を「映画作家」として扱ったせいで作家性に覆われたって柄谷行人の批判があって、ただ本書を読むとそれは「ハスミズム」への指摘で実際の本人は、監督に限らず俳優やキャメラや経済構造等々色々なラインから作品群を語って、自由にカッコの入れ外しする中で、作業仮説として作家性を取り出すことがあるだけって感じ。ウォルター・ウェンジャーを軸に、監督ではなくプロデューサーとしての作家性を浮上させて、かつハリウッドの凋落を個人が先取りしてたって指摘がすごく刺激的。2017/07/26

小川一輝

0
ウォルター・ウェンジャーという補助線を引くことで浮かび上がるハリウッド映画史。ドイツ、フランス、イギリスからハリウッドへと逃亡した映画人たちをいかに手引きし撮らせたか。名作、佳作にもう一度視線を向けたくなること必至の誘惑の書。とりあえず『駅馬車』を観直すために『脂肪の塊』を今読んでいます(笑)2017/08/29

iwasabi47

0
まず対談者が楽しそうw 昔読んだ『ハリウッド映画史講義』を思い出すが、その内容は思い出せない。2017/05/05

Gen Kato

0
再読。好き嫌いは仕方ないにしても、それですべてのいい悪いを判断されたらたまったもんじゃないよなと思うのは、トシとったせいかな…2016/04/04

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