内容説明
20世紀!人類史上全く例外的な100年。昭和史と日蓮主義から『ライフ』の女性写真家マーガレット・バーク‐ホワイトまで、ハプスブルク家最後の皇女から匪賊までを論じ、この時代の諸相を剔出した現代文明論。最も息の合った大知識人二人が20世紀とは何であったのかを考えようと、絶妙の話芸を繰りひろげる歴史対談。
目次
カメラとアメリカ
ハプスブルク家の姫君
匪賊と華僑
近代日本と日蓮主義
サッカーは英国の血を荒らす
辺境生れの大知識人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Akito Yoshiue
4
サッカーとイギリス社会の関係を分析する語り口の見事さなど、唸らされるところが多い。2016/05/29
May
3
100回以上も対談をしているという二人の博覧強記、特に博覧には、驚嘆するほかない。博覧に裏付けられた二人の議論の射程は限りがなく、二人と同じだけの知識を有しているはずのない私は、二人が議論しているさまを、無音の映像を見ているにすぎないとまでは言わないが、残念ながら傍観することにならざるをえない。二人が語るもののみを知ることでも知的満足感を満たすことはできようが、一冊から一つだけでもいいから、一歩踏み出して自分で深堀してみるということをしてみてもいい。と思った。してみたい、じゃないところが弱いけど(笑。2019/11/26
ハイランド
3
ご両人の博識がすごすぎる。自身の無知が辛いぜ。そうか中華人民共和国の成立過程から、今の姿は必然なのか、うんうん。それにしてもバークホワイト。165センチの身長て小柄なのか?2014/02/21
junne
2
各自が選んだ本を持ち寄って語り合うというシンプルなものなのだが、「この本からそういう方向に膨らむのか!」という驚きがあり、しっかり「二十世紀を読む」内容になっている。こういう「知識人」自体が20世紀と共に消えていったのかなという気もする。取り上げた本もそれぞれ面白そう2021/07/26
go
2
この2人の対談、もはやこじつけじゃね?みたいに思う時もあったが、この本ではそういう事もなく非常に楽しめた。あと鹿島茂さんの解説が見事すぎる。2021/04/17