中公文庫<br> フリーダ・カーロ―引き裂かれた自画像

中公文庫
フリーダ・カーロ―引き裂かれた自画像

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  • サイズ 文庫判/ページ数 263p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122033535
  • NDC分類 723.56
  • Cコード C1195

内容説明

悲劇はバス事故に始まった―苛酷な身体的障害との闘いの果てに生まれた衝撃的な自画像の数々、リベラ、トロツキー、イサム・ノグチら時の文化人達を魅了し続けた華麗な遍歴。革命に揺れるメキシコに逝った伝説の画家の、悲壮にして艶やかな生涯と苦悩の芸術の秘密に迫る、日本人の手による初めての評伝。横尾忠則×堀尾真紀子特別対談収録。

目次

1 旅立ち
2 最初の自画像
3 出会い
4 結婚
5 市場のイサム・ノグチ
6 トロツキーの恋文
7 奉納絵
8 パリのシュルレアリズム
9 離婚、そして再婚
10 弟子たち
11 ひび割れた背骨
12 ビバ・ラ・ビダ(人生万歳)!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

143
メキシコの画家というと、シケイロスかリベラくらいしか思いつかない。フリーダ・カーロも、この本で初めて知ったような次第。堀尾真紀子さんによるメキシコ、カーロ紀行風の評伝。カーロの絵は、その大半がこの表紙に見られるような自画像。いずれも眉が一文字に繫がり、強靭な意志をうかがわせるのが特徴。ブルトンが天性のシュール・レアリストと絶賛したそうだが、本質的にはそうではなく、むしろ堀尾が説くように、真にメキシコ的なレタブロから来るものだろう。生涯に30数回の手術を受け、リベラを愛し、強烈なまでの自画像を残したカーロ。2014/06/07

レンジャー

6
再読。絵は時に言葉以上に、感情など情熱の複雑なところまでをも表現して訴えかけてくることがあると私は思う。もしも…なんて考えるのはあまり意味のあることではないだろうけど、でも、もしも事故にあわなかったらフリーダはどんな絵を描いたんだろうか、と、フリーダの表現力が好きな私はつい想像してしまう。フリーダがディエゴについて書いた詩もすごく胸を打つ。読み返す度に、辛くもあるけど、フリーダを好きになる。2023/11/26

駄目男

5
豊かな観察眼と表現力でとてもいい本だが、しかしフリーダのあまりにも「痛すぎる」人生にはちょっと寒気を覚える。 愛情に対する飢えと渇きがエネルギーの源なのか恐ろしいほどまでの執着心。 彼女の絵画はおそらく唯一無二の作品だろう。 痛さの迫力からだろうか、凝視に堪えかねる作品も多々ある。 それにしてもここまで波乱に飛んでいては生きるのに苦しかったろうに。2014/03/22

ダン子

3
フリーダを追って丁寧に取材られた一冊。他のフリーダ本とは少し違う。著者の感想が多いかも。けど、その文章が心に迫る良い一冊だった。2018/05/24

masawo

3
去年ディエゴリベラ展でフリーダカーロの作品が一点だけ展示されていて、サイズは小さいけど半端ないパワーのある絵だと感じた。この本では彼女の一生を、本人と関わりのあった人々から丁寧に話を聞くことで、客観的な視点で書かれている。そんな彼女の作品とシュールレアリズムとの関連性はやはり薄いと思う。フリーダの作品は野球で言うと内角高めのストレートで、とにかくいつも直球勝負という印象。シュールレアリズムのような変化球ではない。表現の方法として、松井冬子さんとかも同じ系統なのかな?と思ったりした。2018/01/22

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