出版社内容情報
曰くありげな赤提灯の常連客四人に押込強盗を持ちかける謎の男。決行は逢魔が刻……。深川を舞台にくり広げる長篇時代サスペンス。〈解説〉清原康正
内容説明
それぞれ寡黙に、曰くありげに飲む赤提灯の常連客四人。彼らに付きまとい押し込みを持ちかける謎の男。決行は人足がばったりととだえる逢魔が刻…。深川の市井を舞台にくり広げられる押し込み強盗と、それぞれの女たちの悲運を描く長篇時代サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんこい
10
藤沢氏にしては珍しく悪人が主人公と思ったが、やはりそんなことはなく素人がやむなく手を出すというべきか。押し込み自体にはけれんもないが、不思議な縁で集まる盗賊はやはりうまくいかないか、人生のほうが大事と思った。2017/11/08
山内正
4
お願いだからさぁ 浮気が本当だとしてもそろそろいいんじゃないかと 橋を二つ渡り木場の納屋に庄兵衛を探し一石屋へと声を掛け 半年金を待ってくれと腿を刺した 蜆川の飲み屋で佐之助酒を 小肥りの五十絡み商人風の男が 店に来た 佐之助にさっきの見たんですやる気になったら 儲け話が 押込みなんですと持ち掛ける 女の重い身体に手を回しじっとする そろそろケリを付けないと祝言が近づいてると思いが 女は以外と今のままでと分別する 着替えて明後日来てと一言 あなた何方です 蜆川の客ですって 手伝ってくれたら金は出します2022/03/10
たまご
3
ちょっとしたきっかけで誰もが抱えてしまいそうな闇を持った男たちのあがきが辛かった。どの男たちも感情移入できそうなのに対し闇の歯車へと向かわせた男たちはぞっとする恐ろしさだった。そういった人は大概普段通りの生活を続けて行くものだから。2019/03/19
ももくり
3
それぞれの場でそれぞれに生きている4人が闇の歯車に組み込まれ押し込み強盗を働く。誰でも抱えている心の闇の部分。それに上手くつけこむ謎の男。読みごたえがあった。2016/12/20
youe
2
さすが藤沢周平、味がありすぎる。必読ですね。2021/03/29