中公文庫<br> カストリ雑誌研究―シンボルにみる風俗史

中公文庫
カストリ雑誌研究―シンボルにみる風俗史

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  • サイズ 文庫判/ページ数 501p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122032170
  • NDC分類 051
  • Cコード C1121

内容説明

焼跡、闇市などと並び、戦後の混乱期の象徴的存在だったカストリ雑誌を、膨大な資料をもとに検証すると共に、誌上に頻出する「接吻」「ストリップ」「ズロース」「猟奇」などの言葉をキーワードとして、当時の人々の風俗・思想を読み解く。巻末にカストリ雑誌・風俗史年表を付す。

目次

第一部(なぜカストリ雑誌をとりあげるか;接吻―接吻と日本の「民主化」;ストリップ―ヌードからストリップへ;ズロース―エロチシズムの象徴;猟奇―その栄光と残光;有閑マダム―モダニズムへの憧憬;自慰―タブーとしてのオナニー;没落―中産階級の女の哀しさ;パンパン―それ自身が風俗として;未亡人―性的人間の象徴;貞操―姦通罪の廃止をめぐって;姉弟の愛―近親相姦をめぐって;エロ―その大義名分主義;阿部定―性を極限まで押しすすめ;復員兵―戦争の傷痕をせおって)
第二部(戦後文学におけるカストリ雑誌;カストリ雑誌におけるカストリ雑誌論;カストリ雑誌の表紙)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

冬憑……(ふゆつき)

3
京都で行われていた春画展に行った。春画をじっくり見た事がなかったので赴いてみた。美術館ほど大きくなくギャラリーとしては大きめのスペースにずらりと並ぶ春画。そしてそれを食い入るように見る人の群れ。グロテスクと表現したくなる春画の淫靡さと人々の熱気にやられ、私は早々に離脱。その時初めて、春画が苦手だとわかった。京極作品のファンならお馴染みカストリ雑誌、その研究本。ネットリとした淫靡な世界に、頭に浮かぶは春画展の思い出。30半ばにしてエロを拒絶するとは思わなかった。古き良きエロを体感したければオススメである2016/03/20

勉誠出版営業部

2
故・山本明の『カストリ雑誌研究』を読了。出版史の話かと思って読んでみたところ、カストリ雑誌と、そこに出てくるキーワードから戦後の風俗を考察しようとする一冊でした。巻末に掲載された100ページ近くのカストリ雑誌年表が圧巻。2015/09/15

わす

0
カストリ雑誌に登場する女性は多い順に、人妻、未亡人、ダンサー、パンパン、ヌードモデル。快楽としての性といえば遊廓しか連想できなかった男が、日常に性を持ち込むようになったのはカストリ雑誌が契機。とはいえ、OLや女学生、処女はほとんど描かれないのはワンナイトの相手としてはハードルが高く現実的ではなかったのだろう。人妻や未亡人が性欲を持っていると宣言するだけでも当時は刺激的なものだった。性表現するにあたりもっともらしい大義名分を並べて流通したカストリ雑誌は、1949年にあらわれた夫婦雑誌によって淘汰されていく。2023/08/24

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