内容説明
「戦後社会は、倫理をもふくめて土地問題によって崩壊するだろう」この状況を憂える著者が、各界五人の識者と、日本人と土との関わり、土地所有意識と公有化の問題などを語り、解決の指針を提示する。土地という視点から見た卓抜な日本人論にまで及ぶ注目の対談集。
目次
日本の土地と農民について(野坂昭如)
所有の思想(石井紫郎)
日本の土木と文明(高橋裕)
土地は公有にすべきもの(ぬやま・ひろし)
現代資本主義を掘り崩す土地問題(松下幸之助)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
40
日本人と土地の関わりについて様々な見方で対談しています。司馬史観は風土まで及ぶのかと思わされました。2022/05/05
kawa
39
面白い。というか、この文庫本の発刊が80年で、地価はそのときからおよそ10年後の90年前半でピークアウト(80年の2倍)、そして今は80年と変わらない地価に逆戻り。我が世代は90年前後に土地(持ち家)神話に翻弄されて、マイホームを取得した方々が多いので、人生の家計経済の来し方を内省してしまう人ごととして読めないリアルさでせつない(結果として、購入額の1/2の含み損を抱えている人が多い)。2020/07/04
うえの
20
大好きな司馬遼太郎が興味ある土地問題を語っているので読んでみた。松下幸之助が最後出てきて対談してるけど土地で儲けるビジネスはしないと語っていた。語られている内容が結構前なので現在の土地問題とは少し違うと感じる。ただ今日本の抱えている土地問題はより一層混迷を極めていると感じる。外国人が買い漁ってるのは稼ぐためなのか、見栄のためなのか真相が知りたい。2020/03/18
時代
16
土地を公有化しないと、日本の全ての事が駄目になってしまう。と司馬さんは憂いていた。そんな思いを対談によって確かめてゆく。そうだと思うがかなり難しいですね△2019/07/26
aponchan
12
最近、司馬遼太郎氏の著作を読み進めているが、私を含めて日本人の土地への拘りの正体が何なのかを理解させてくれる本。日本における土地バブルの崩壊以前に書かれたものなので、司馬氏の慧眼に改めて脱帽。ぬやま氏との対話は勉強不足により理解不十分。また、いつか、再読してみようと思う。2019/07/21