感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
LUNE MER
17
女三の宮に対する柏木の不義密通、不義の子・薫の誕生と父・柏木の死…が本巻のメイン。今までは藤壺と源氏の関係性との自己相似として単純に捉え、自分を棚に上げている源氏という見方をしていたのだけど、窯変を読むと源氏の立ち位置に配するには柏木が貧弱過ぎるという思いになってきた。確かに源氏って本当に自分を拒む相手に対しては踏みとどまっていた気がする。そして女三の宮を介しての兄・朱雀院と源氏の粘着質な心理的駆引き。朱雀院という男の存在の不気味さが他の翻訳にはないくらい際立っている。2021/12/17
みほ
2
甚振るばかりの楽しみかぁ…。若菜はえぐい。2014/01/10
NORI
1
読みやすい。その帖開始時の年齢付き人物相関図が記載されており、理解の助けになる。
madhatter
1
再読。反政治的存在だった若き日の光君の過ちが、政治的存在として時代に君臨する老いた源氏に復讐する巻。源氏は最早物語の軸ではなく、周囲に振り回される存在となるが、彼の代わりに軸となりうる人間はおらず、物語は群像劇の様相を呈し始める。しかし、物語の軸たりうることはできぬとしても、源氏の存在感は相変わらず強烈だ。この巻は再読とは言え、背筋が凍るような緊迫感を以て、一気に読み終えてしまう。殊に、柏木に絡み酒する源氏の恐ろしさよ。私が柏木なら座り小便モノだ。2012/08/08
MaL
0
★★★★★2013/07/28