内容説明
明治期浮世絵研究の先駆的著書、必見の名著と謳われながら写本としてのみ伝世していた飯島虚心の歌川派浮世絵師研究の労作を、玉林晴朗の精細な解説と校訂を加え復刻する。始祖豊春はじめ豊国、豊広、広重、国貞、国芳等の詳伝『浮世絵師歌川列伝』3巻のほか『浮世絵師歌川雑記』を収める。
目次
浮世絵研究の先覚者飯島虚心
浮世絵師歌川列伝解説
浮世絵師歌川列伝(歌川豊春伝;一世歌川豊国伝;歌川豊広伝;三世豊国伝;歌川広重伝;歌川国芳伝)
浮世絵師歌川雑記
感想・レビュー
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紫
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豊春、豊国、豊広、国貞(三代豊国)、広重、国芳の主要歌川絵師六人の列伝+著者飯島虚心の伝記という構成。浮世絵の海外流出が進み、海外での高い評価が伝わってくる一方で、まだまだ旧幕府時代の感覚を残していて、海外の評判に迎合せず浮世絵の発展の中に歌川絵師たちの活動を位置づけようとする姿勢はたいへん興味深いものであります。基本的には先行文献からの引用とまだ存命中だった関係者の証言から構成されておりまして、前後で矛盾する記述も多いし、文章は原文のままだしで、ページ数のわりに読み進めるのに難儀いたしました。星5つ。2019/12/11