内容説明
人形は鏡です。恐ろしいほどに作った人の心の状態を映し出し、それを見る人の心をも映し出す鏡です。当代に異彩を放つ人形作家が幼時を過ごした満州のこと、生別した母への想い、創作のうちに観じた人と美の本然の姿を述懐する味わいふかい自伝風エッセイ。
目次
草木の根
醜のなかにこそ美を
人形は鏡
南画の世界
真如の月
自然の掟を掟として
役者になりたい
河原の夕餉
役者気分の頃
看板絵描き
東京へ
自分の人形を作りたい
小道具
中原淳一の本
「赤い蝋燭と人魚」
ヨーロッパ旅行
高野山
一葉集
鏡花の逆説
鏡花の女たちは人形だ〔ほか〕