中公文庫<br> 戦争私書

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中公文庫
戦争私書

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  • サイズ 文庫判/ページ数 359p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784122017276
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C1195

内容説明

戦争は生命を殺すだけでなく、人間の良心をも殺す。日中戦争から太平洋戦争、敗戦、戦後にわたって、日本を代表する政治家、科学者、文化人がどのように変節していったか。戦時中“非国民”と呼ばれた気骨のジャーナリストが、戦争と人間の堕落を透視し、風化する戦争の記憶を甦えらせる。

目次

酩酊した百姓
支那とわたし
支那との宿命
近衛首相を囲んで
ノーベル賞のかげに
思い出の人々
如履薄氷
新体制あれこれ
戦争中に躍った人々
汪兆銘との共鳴
敵の包囲の中
十二月八日朝のラジオ
戦時下のジャーナリズム
与瀬の幽囚
咢堂翁とわたし
終戦までの1年半
崩壊の7日間
敗戦直後―彼らは戦争中何をしていたか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

denz

4
著者は、大正デモクラシー時代の旗手として活躍した評論家。その著者の戦時期の思い出を綴った作品であるが、中国知識人との交流、流行思想を追いかけ続けた日本知識人の通弊としてファシズムへの関心(著者の名で『我が闘争』の翻訳本が出た)、近衛文麿への新体制への進言等が述べられる。戦時体制を賛美しつつも、その中に如何に日中和平や自由主義を盛り込むか、その努力のあとを後年の視点から絵解きしてくれているが、その誤解を解くのは難しい。軍国主義者と思われつつも官憲からは「非国民」として警戒された自由主義者の見直しは道半ば。2013/08/19

rbyawa

1
j091、戦前、四大総合誌と呼ぶ時に(3のことも多いけどね)、四番目に当たるという『日本評論』のトップで、戦争が始まり次第軍隊の脅しによって地位を終われ、ただ、そのことを周囲に喧伝し損ねたのか戦後に公職追放に…(開戦時の地位だからねあれ…)。ちょっと背景時代を知らないと意味が取れないこともあるかも、というか、文士や出版社との関係が薄くて政治家の友人ばっかりで情報得られてないなこれ…。逆にバイアスがなく、ほぼ信用のおける内容に、まあ…戦中にろくな情報がなくてまともな判断が出来なかったって本だし、正直だよね。2019/08/24

千本通り

0
今ではほとんど顧みられない戦前のジャーナリスト、知識人。近衛文麿ともかなり親しかったようで、近衛が首相になってまもなく支那事変の見通しをきこうと5人の人を招いた。長谷川如是閑、馬場恒吾、河合栄次郎、矢内原忠雄、そして著者である。招いた顔ぶれから著者の当時の地位、影響力がわかるだろう。 戦前は官憲にマークされて金沢監獄にも入ったことがあるのに、戦後は超国家主義者の烙印を押されて公職を追放された。戦前の言論界の雰囲気がわかって面白い。2020/05/24

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