内容説明
本書は座談の名手でもあった著者が、旺盛な好奇心からえらんだ強烈な個性の持主たち―広津和郎、武田泰淳、金子光晴、深沢七郎、島尾敏雄、井伏鱒二、石川淳など12人の「文章による肖像画集」である。対話から相手の深奥にふれる、真に批評的な対談集。
目次
行動する怠惰(広津和郎)
自由人の条件(きだみのる)
マクロの世界へ(大岡昇平)
誰を方舟に残すか(武田泰淳)
不穏な漂泊者(金子光晴)
カゲロウから牙国家へ(今西錦司)
手と足の貴種流離(深沢七郎)
流亡と籠城(島尾敏雄)
惨禍と優雅(古沢岩美)
“思い屈した”(井伏鱒二)
絶対的自由と手と(石川淳)
地図のない旅人(田村隆一)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっと
7
今年は戌年ということで、開高健(かいこうけん)から。著者が愛読してきた作家の評論に対談の模様が適宜差し込まれるという構成がおもしろい。ちくま文庫でも出ていて、あの佐野眞一がえっらそうに解説して曰く、著者の傑作として『ずばり東京』をあげる人は多いだろうが、筆が得意がっている向きもあって、私はこちらのほうを推す云々(※だいぶ斜に構えて抄訳しています)と評価している。広津和郎、きだみのる、大岡昇平、武田泰淳、金子光晴、今西錦司、深沢七郎、島尾敏雄、古沢岩美、井伏鱒二、石川淳、田村隆一。お好きな作家がいればぜひ。2018/01/03
シンドバッド
4
対談集ではなく、対談を盛り込んだ、開高が描く人物像集 いかにも開高健らしい。2015/01/09
あかふく
2
開高健が、石川淳、きだみのる、田村隆一、深沢七郎、古沢岩美らと対談し、その中から一部分を引きつつ対談相手の「肖像画」を描くという試み。これは単にその人物が「どんな人物であるか」ということを説明するという意味では無く、「画」を強調したくなるような試みである。開高健が相手を反射して出来た「像」の様相を読者は見ることになる。それは「形式」であり「文字」であって、決してある種の「意味」が本質になっているわけではない。2013/03/23