内容説明
馴染んでいるようで、意味不明でもある「雨降りお月さん」の歌。人生にはこういうことがよくあるのでは…。見えるようで見えない人の心、わかるようでわからない世の出来事。時を経て、はじめて解する遙か彼方の言葉、思い。書斎の窓に映る暈をかぶったお月さんのように、すべてがかすみ、妖しくみえる。にがく、恐しく、どこかおかしいエッセイ群に、新しい試みのオシャレな恋の小説1篇をプラスする。
目次
小説の周辺
身辺雑記
数のアラカルト
好きなこと
男と女の同床異夢物語
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
24
画像が間違っている! 自分では訂正できませんが、こんな書影ではありませんので念のため。阿刀田高さんの本は初めて読みますが、これは雑文集。といっても小説を作る日常がいろいろ書かれていて、作家も大変なんだなぁ、と、つくづく思えるものがあります。中でも異色なのは「数のアラカルト」は阿刀田さんの意外な側面を見る思いでした。まるで安野光雅さんの「算私語録」のようで、イラストにあの絵が描いてあっても不思議でない数学的エッセイ。「小説はすべてミステリー」とは、タイトル即結論と言えますね。なるほど、と、関心しました。2015/05/11
takaC
2
1992年9月読了。1999/01/01
MIKETOM
1
俺はエッセイはそれほどたくさん読むわけではないのだが、阿刀田は最強エッセイストの一人だと思う。重すぎず軽すぎず、全ての点でほどがいい。知的好奇心を満足させてくれたりする。自分の興味関心に溺れず、常に読者の視線を意識しながら書いている感じ。良い意味でプロだなあと思う。2015/05/27
あじさい
0
阿刀田高さんの人柄がうかがえる一冊。2011/12/01
のんき
0
1989.9.10発行