感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
128
比較的私の好きなタイプの作品が10収められています。主人公は作者本人のような翻訳家という連作のような感じで過去の遠い記憶が怖さの根源のような感じで物語が続いていきます。結構さまざまな音が効果をうまくだしています。ビードロの「ぽっぺん、ぽぺん」という音や遮断機の「カシン、ハタン」などです。2015/11/11
MIKETOM
5
静かな雰囲気の短編集。阿刀田は奇妙な味の作家と呼ばれているが本書はそうではない。阿川佐和子の解説によるとこれは私小説風の作品とのこと。確かに阿刀田の他のエッセイに書いてあった事柄が出てきたりする。「栄荘」とか。印象としてはイマイチではあるけれど、まあ、これは阿刀田の初期の頃の作品であり、まだ自分の作風を確立する前の作品だろう。暗中模索しつつやがて後の自分の個性を確立するに至るわけだからそれがそれでよしとするか。眠いから文章がハチャメチャ(苦笑)2018/03/04
sabosashi
5
阿刀田は多作な短篇作家であり、文が卓越している。しかしわたしはあまり近づく気がなかった。 とはいってもかつて雑誌「海」にて「ロシア式ルーレット」を読んでそれなりに感心し、こころのうちではずっと気にはなっていた。 そしてようやく数十年後、この短篇集に手を出した。 ニホンの作家には巧く綴るひとがすくなくない、見事に上手にまとめてみせるのだ。 読んだあとには、なるほどなァ、と感心させられるが、ただそれだけ。 巧いだけでは物足りない、というか、巧いことはかならずしも大切なことではないと思う2014/12/28
takaC
3
1994年2月読了。1999/01/01
ぷりたん
2
少し時代の古い短編集。その時代の情景を想像しながら読み進めた。2013/01/21