中公文庫<br> 幻詩狩り

中公文庫
幻詩狩り

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  • サイズ 文庫判/ページ数 392p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122012714
  • NDC分類 913.6

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kuukazoo

5
1985年の作品。シュルレアリスムをモチーフに、読んだ人の精神を蝕み死に至らしめるという麻薬的な「幻詩」を巡って展開されるSF。その詩の言葉はまるでウィルスのように脳に影響し、人の認知機能を狂わせる。確かに言葉には人を呪縛する力があるわけで、なかなか断ち切れなかったりするし考えてみれば恐い。最初はたった一部の手書き原稿だったのに、他人の手に渡ってコピーされ、出版という形で広く拡散されていくのもウィルスっぽい。結構掴まれてあっという間に読んだ。2015/10/23

らびぞう

4
最初のくだりは、なかなか読み進まなかった。しかし、アンドレ・ブルトンのパリの話から、一気に物語は進んで行く。幻語を使うことが出来る 「フー・メイ」により創作された詩。その謎は、時を経て、日本にたどり着く。やがて、その詩に携わった人たちが、行方不明になって行く。「ドゥバト」その言葉とは。。。2018/06/13

三柴ゆよし

4
ひとりの青年が発見した「幻語」によって、人類が破滅の淵に追いやられてゆく。解説で巽孝之も指摘しているが、オーウェル『1984年』との対応関係は興味深い。言葉そのものをめぐる思弁的な小説を想像していたら、後半部はよくある時間SFで、それが少しく残念ではある。もっと残念なのは、アンドレ・ブルトンらシュルレアリストたちの存在が、物語上の小道具としてしか機能していないこと。個人的にはもうすこし「破綻」していてほしかった。非常に惜しい作品。2010/11/28

さとさとし

2
別のものを直接表現する力を持った言葉を巡る話。 聞きなじみのない詩人が出てくる現代とはちょっと離れた世界。 しかし、ディテールが見事でいろいろな人物に同化することができた。2017/02/28

謡子

0
牧野修『月世界小説』を読んだ流れで読了。 最初の数ページはハードボイルドで読みにくいが、すぐに実在が混ざって面白くなる。「お話だ」と自覚するまで地の文章と一緒に右往左往できる。 しかし、フーメイってなんだよと突っ込まずにいられない自分の性格と、「幻詩」自体をイメージできる才能がなく、きっとそういう人間のほうが多いだろうなと思ってしまった時点で「狩り」といっても梨桃モミジの類、どちらかというと「手を出せないものを追っている」カワグチヒロシ的な感じで印象がまとまってしまった。 おかしいな。 要再読。 2017/07/23

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