感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
19
この著者は「ローマの歴史」という本も書いています。塩野さんの本よりも教科書的ですが。このルネサンスン歴史の上巻では、過去の事跡を追いところよりも、人物論ー教皇やダンテ、ペトラルカ、ボッカチオなどのところが興味深く読むことができました。上巻の最期のほうはコンスタンチノープルの陥落やアメリカ発見について述べられています。2014/06/20
mahiro
14
フェデリコ二世からコロンボのアメリカ発見までのイタリアの歴史を人物列伝のような形で展開する。イタリアを統一しようとしたフェデリコの偉業を打ち砕き子孫を滅ぼしても教皇の勢力は強まらずアヴィニョンの虜囚へと向かう。歴代の教皇の何と残忍で強欲な事か「そもそも良心のようなよけいな物をもっていなかった」らしい。作者は容赦なく時代の権力者達を切って捨てるのだがその描写は通俗小説を読むように面白い。教皇不在のローマの荒廃を読むと今の骸骨のようなコロッセオもこの頃にどっさり鉄材や石材を剥ぎ取られたのだろうか下巻も楽しみ 2017/05/25
roatsu
11
フリードリヒ2世の死から1500年代へ向かうまでの混沌と躍動のイタリアを描く。冒頭の著者の弁のとおり大衆に向けた、それがゆえに貴重な歴史書。事件、現象、人物等の個々の情報は教科書的に学べても、それらの原因や場合によって現代まで及ぼしている他への影響という有機的な繋がりを語ってくれる本書のような作品が本当に歴史を身近にしてくれるのでは。イタリアでは良きにつけ悪しきにつけ教皇領の存在が大きかったとつくづく。2015/03/08
tieckP(ティークP)
5
字が小さいので、ページ数の割にボリュームはある。同作家のギリシャ史やローマ史に比べると馴染みのない人名も多かったけれど、そしてあれらが一国の盛衰を描いたのに比べると全体を通してのメリハリに欠けるけれど、それでも十分楽しめた。とりわけ漠然としたイメージしか無いイタリアの諸都市(フィレンツェ、ヴェネチア、そしてフェラーラなど)について具体的な描写が多くて知識を深めるのに役立った。ダンテやペトラルカについての評も、おそらく偏ったものだろうけれど、文人である著者の価値観ではっきり述べられているので気持ちが良い。2012/11/07
鮭
5
ルネサンス全盛期、イタリアが光り輝いていた最後の時代(今のところ)の話。数多い章のなかでも、ボニファティウス8世の暴虐ぶりが非常に印象的。あれではフィリップ4世が反撃に出てもいたしかたない。2009/10/14