中公文庫
板極道

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  • サイズ 文庫判/ページ数 302p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122002913
  • NDC分類 733

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さきん

21
そもそも自伝書いていたんだとビックリ。版画の道を究めているからということで板極道。鍛冶屋の息子に生まれ、信仰深い祖母、母の大きな影響を受けながら育つ。戦前から戦後まで青森、東京、富山、アメリカ、ヨーロッパへと世界が広がっていく。2017/12/29

ロビン

19
青森出身の版画家で、柳宗悦や河井寛次郎、濱田庄司らの薫陶を受けながら「世界のムナカタ」へと大成した棟方志功の自伝。先日、生誕120周年記念の展覧会に行ってきたので、本棚から引っ張り出して読んでみた。棟方の作風は非常にのびのびとして生命力にあふれ、色彩も豊かだが、棟方自身とても素直で自由な人柄だと感じた。若き日の感動のままに「わだばゴッホになる」と決意し、ただ一心に作品を作り続け、成功したのちもその純な気持ちを持ち続けたことに美しさを感じる。情熱が人を動かすのだろう、多くの人が彼を援助したことにも打たれる。2023/05/26

T2y@

17
『わだは ゴッホになる。』 棟方の作家人生と、離島・欧米での紀行文。 谷崎潤一郎をして奇人と言わしめた風貌、作風の一方で、本書は、これまでの恩人と家族への感謝に満ちた謙虚な姿勢を強く受ける。東急の創始者 五島慶太との縁は意外だったなあ。2017/08/04

アムリタ

13
人間棟方志功を、本人がことばで描写したらこうなる。 幼少年時代に受けた祖母や両親の影響、「ようし、日本のゴッホになる」と画家を志すも、途中から版画(板画)に開眼する。ムナカタはことばの使い方も独特で、随所にそれらがちりばめられているのも興味深い。 また、出会った人々の恩を決して忘れず心にしまってありがたがるところも、純粋無垢だ。どこまでも穢れを知らない赤子のような魂のまま板業に邁進するムナカタの作品群もまたおおらかで、のたうつようなパッションと女性崇拝の心持ちに溢れて素晴らしい。求道者の歩みが神々しい。2023/11/03

花乃雪音

13
版画にのめりこみ親や妻に対して至らない所がある自分は極道者であるという自己評価故のタイトル『板極道』(ばんごくどう)になる。「わだばゴッホになる」という言葉と棟方志功が語っていた津軽弁の映像が記憶に残っていたため、書き言葉の標準語との言文不一致に少々違和感を覚えた。また、あまり自慢をしたがらない性格なのか文章から苦労が分かりにくい(苦労自慢していない)のと国際版画大賞を受賞したこともあっさり書かれているのが印象的だった。2020/09/02

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