感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maimai
31
「嫌われる勇気」で有名になったアドラー心理学ですがそれと対をなすフロイトの心理学です。原因に重きを置くフロイトの心理学、目的に重きを置くアドラーの心理学。この違いはトラウマの存在を認めるかに関わるみたいです。またフロイトの心理学では「自我とイド」に関して語られています。自分たちの中にはジャングル時代の心「イド」が眠っていて、自我がイドを押さえ込みその衝動を知的活動に昇華させ文明が発展してきた。しかしイドを押さえ込めないと、戦争や犯罪が起こり文明を壊してしまう。文明の発展には私たちの中にある衝動的なエネルギ2016/04/13
テツ
22
フロイト嫌いなんですが久々に再読。人は自分自身のことなど何一つ解らず制御も出来ないんだということを延々と叩きつけられている感覚と、それに反論出来ない事実に不快感が募る。僕だって自分自身のこと、自分自身の内部のことすらコントロール出来ない哀れな人間なんだなと思うとせめてもの抵抗に首の一つも吊りたくなる。人間が自分の意思でなんとかできる範囲なんてきっと微々たるものなんだろうな。辛く苦しい穢土を這いずりながら自分自身のことだって何一つ解らない。人間はなんで生きているんだろう。2017/08/18
詠(よみ)
5
講義録。正直 この手の本は敬遠していたが、想像をはるかに超えた読みやすさだった。Freudに共感はできないタイプの心理学学生だが、彼がなにをもって 精神分析学を立てたのかは理解できた。大学の講義よりは 直(?)なぶん 主張が伝わる。…とはいえ、自分自身の考えが変わったわけではないが。2016/11/18
オワ
4
読むのに5年くらいかかったがこの間に自分も学生から医療者になってるので感じ方が変わってるかもしれない。2022/01/06
かんやん
4
驚き、疑い、呆れ、時には苦笑し、読み終えて途方に暮れた。ヒステリーやノイローゼの症状を記述し、そこに意味を見出だし、リビド(性の欲動)で説明するのは興味深い。無意識、抑圧、自我との葛藤などの概念まではついていけるが、固着とか退行が出てくると怪しくなり、自我リビドとなると、そんなものあるんですか!リビド理論でノイローゼのみならず精神病まで説明しようとするから、無理矢理感がハンパない。仮定に仮定を重ね、しかし、確かに筋は通っているから、途方に暮れる。2015/12/10