中公文庫<br> 白鳥の歌なんか聞えない

中公文庫
白鳥の歌なんか聞えない

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  • サイズ 文庫判/ページ数 244p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122000230
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばう

41
何十年ぶりかで再読。若くてキラキラした青春真っ只中の薫くんと由美ちゃんは、初めて身近に「死」というものを感じて戸惑い、恐れ、その存在にがんじがらめになってしまう。相変わらず色んな事を考え過ぎて、素直に感情表現する事が出来なくなってしまう薫くんだけれど、「死」にある意味取り憑かれてしまった由美ちゃんを元気にさせようと奮闘する姿に「それでこそ薫くんだよ!」とエールを送りたくなるのはやはり私が年齢を重ねたせいでしょうか。40年以上も前の小説だから退屈するかと思ったら、また違った視点で読めて思いの外楽しめました。2019/01/24

KAZOO

23
再読して最近の小説比べて非常に文章が長いということを感じました。あまり難しい言葉はないのですが、最近の読者からは好き嫌いがかなり分かれるのではないかと思います。昔は一気に読んでいましたが今はじっくりと読んで味わっているのですが、年齢がそうさせるのか、今はあまり昔の感動はないですね。2014/10/15

masa

15
薫くん四部作の二作目。今回も主人公がひたすら自問自答し、自己肯定と自己否定を繰り返しながら物語が進む。死がひとつのテーマとなっている。作者の独特の文体、ややくどい文章に慣れたのか、だんだんとクセになってきた。2019/11/27

棕櫚木庵

13
高校の頃,図書館で『赤ずきんちゃん』を読み,すぐ文庫本を買った.続けて『黒頭巾』,『白鳥』を読み,最後の『青髭』は大学図書館で雑誌掲載時に読んだと思う.一番印象的なのはこの『白鳥』.深い教養を身に着けた老人が死んでゆく.その虚しさから逃れようと薫をベッドに誘う由美.だけど,「こんな,まるで死の影を恐れるような形で,死から逃れようとでもするような形ではいけない・・・かすれた声で,だめだよ,と言って・・・声にならない声で好きなんだ好きなんだといつまでも繰り返していた・・・」(pp.225--227).2018/02/15

調“本”薬局問悶堂

2
どうやら『赤頭巾ちゃん気をつけて』はシリーズだったようで、この本と間に『さよなら怪傑黒頭巾』というのがあるみたい。『狼なんかこわくない』もきっとシリーズだよね?どちらも探したいな。 ひとり暮らしを始めて切り詰めて生活してるけど、本だけは我慢できない。これ以上は。 けっこうこの薫くん好きだな。男の子の薫くんにとても感情移入できる。 この本が好きという人が近くにいるかな?だれかに薦める本ではない気がする。 《2020年6月 登録》2010/09/16

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