• ポイントキャンペーン

中公新書
生命を捉えなおす―生きている状態とは何か (増補版)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 355p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121905031
  • NDC分類 461.1
  • Cコード C1245

内容説明

分子の世界へと微視化を進めるだけでは生命の本質は捉えきれない。著者は筋肉収縮の分子機構についての独創的研究で得た「動的秩序を自律的に形成する関係子」を出発点に、生命システムの普遍的な性質を「自ら情報を創り出す能力」という観点から捉える。そこから複雑で多義的な大脳や、環境の知的な働きの底に存在する法則性を動的に追求していく。

目次

背景となること
生きている状態
マクロな状態とエントロピー
静的秩序と生命
動的秩序の自己形成
生体運動と動的協力性
リズムと形態形成
秩序の自己形成系と情報
新しい自然像新しい人間像
生命的調和の世界
関係子とは何か
脳の働きと関係子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中島直人

6
文科系の私にはかなり骨の折れる本でした。ただ、環境→分子→アミノ酸→タンパク質→細胞→器官→生物→社会、各々がミクロな動きを取ることが、マクロに見ると秩序を生み出しているという見方が非常に強く印象に残った。2015/03/19

iwri

5
基本的に複雑系や自己組織化システムについて。新書としては専門性が高く難しい部類に入ると思う。古い本ではあるが、それほど違和感なく読めた。ただ、著者の信念体系そのものについては共感するものの、社会へのシステム論的拡張は二部ではルーマン的な発想も述べられてはいるが、アナロジーとまでは言わないまでも安易なところがあるように思う。また、脳に関しては意識の問題に全く触れていない点で、あまり興味がわかなかった。2012/01/28

kazutox

4
1978年初版で1990年の増補版。8章までが長い前置きで、9章+増補版の章3つがまとめに当たります。このまとめ部分が思弁的というかヨタ話に近づいている感があります。「秩序の自己形成系」を生命というなら、人間社会やレーザー装置も生命ということになって、かえって何だか分からなくなってしまうのでは。それに、筆者は科学(である)から道徳(すべき)を導こうとしているように読めてしまう。前置き部分は読みやすい文章で楽しめますが、まとめ部分がちょっと。2023/10/20

なぎこ

2
シュレーディンガー読了後に読んだので、文系の私にも問いの方向はよくわかって興味深く読めた。生命とは動的秩序を自ら作りだす能力であり、生命現象の核心はマクロとミクロの間のフィードバック・ループの存在。生きた自然はエネルギーではなく情報によって支配されている。情報は負のエントロピーという意味を持ち、その量は秩序の目安。情報とはその生物にとって意味のある信号で、「関係子(個)」間の動的コネクションの形で発現されるもの。 後半に行くにつれ、より刺激的になるが理解も難しくなる。著者のその後の著作も読みたくなった。2015/08/19

なぎ

2
生きてる状態にあるシステムは 情報を生成しつづけること生命の普遍性 物質レベルの法則性の上からは異なるさまざまなせいぶつに共通する生命の倫理の原点があると生きるとはどういうことか これからも考えていきたいと思います2011/07/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/538713
  • ご注意事項