中公クラシックス<br> 道徳と宗教の二つの源泉〈2〉

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中公クラシックス
道徳と宗教の二つの源泉〈2〉

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  • サイズ B40判/ページ数 291p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121600615
  • NDC分類 135.4
  • Cコード C1210

目次

第2章 静的宗教(承前)(偶然;文明人のうちの原始的心性;呪術 ほか)
第3章 動的宗教(宗教という言葉の二つの意味;「宗教」という同じ言葉が用いられねばならぬ理由;ギリシアの神秘主義 ほか)
第4章 結びの考察―機械化と神秘精神(閉じた社会と開いた社会;自然なものの存続;自然的社会の特性 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きゃんたか

17
本能と知性とは、動物進化の根源たる創造エネルギーの二つの主要路線である。自然宗教とは、人間本能を妨げる知性認識のエゴイズムから人間を守る本能の知的表象である。この静的宗教を一方の極として、もう一方に動的宗教がある。知性的分析には、内なるエラン・ヴィタールの不可分な直観は捉え得ない。実在とは動きそのものであり、知覚されるのは変化の連続だけなのである。人間種を産み出した本源力、即ち愛は、突如の飛躍によって絶対的正義を確立した。これ無くして民主主義は不可能であり、これ無くして機械化社会の真の実現は有り得ない。2016/10/27

masawo

5
多角的なアプローチで宗教について論じられており、直観や持続などの単語は影を潜めているがラスト5ページの怒涛の展開はまさに圧巻。ベルクソンの器のデカさを見せつけてくれる。哲学という枠を超えて人間が向かうべき方向を分析した名著。2019/06/19

レートー・タト

5
Ⅰから続く第二章「静的宗教」の残りの部分、第三章「動的宗教」第四章「結びの考察-機械化と神秘精神」から成っている。Ⅱまで通読すると、ベルクソンの真意がだいぶ明らかになる。Ⅰにおいては概要的に書かれていたこと、即ち超越的な力場の総体としての〈人間中心主義〉を超克すべき通過点として認めないような、愛や創造を内包したエラン・ヴィタール(生の躍動力)の可能性が神秘主義に探られる。この神秘主義についての記述で特筆すべき点は、彼が「完全な神秘主義」と呼んでいるキリスト教(カトリック)のそれを称揚しているということだ。2011/09/04

フンフン

2
著者は、社会秩序と自然秩序が似通っていることに着目する。哲学者は道徳の根拠について、さまざまに考えてきたが、結局のところ、それは社会的な慣習に基づいているのであり、窮極の根拠は「せねばならぬからせねばならぬ(問答無用)」ということに帰着する。人間は社会的動物であり、個人の維持は社会の維持にかかっている。 さまざまな倫理学説を読んだ後に読むと、「目からウロコ」という思いがするだろう。 2013/05/31

AiN

0
ベルクソン 1859~1941。フランスの哲学者。パリ生まれ、高等師範学校卒業後、地方校教授を歴任し、1900年からコレージュ・ド・フランス教授に就任。現代哲学を担当し、その名講義により一世を風靡する。第一次大戦のころから公的活動多く、アカデミー・フランセーズ会員、国際連盟国際知的協力委員会委員、同議長などを兼任。1928年ノーベル文学賞を受賞。生涯、数々の社会的名誉に恵まれながら、寡欲で献身的な聖人の面影を失わなかった。2015/07/16

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