中公新書ラクレ
アメリカの宗教右派

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  • サイズ 新書判/ページ数 253p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121502919
  • NDC分類 316.2
  • Cコード C1231

出版社内容情報

保守主義運動を草の根的に行うことでアメリカの政治にインパクトを与えてきた勢力の、ダイナミックな動きをコンパクトにまとめる

内容説明

アメリカ宗教右派は、大規模な草の根保守主義運動の展開で、アメリカの政治にインパクトを与えてきた。現代史におけるそのダイナミックな動きを、コンパクトにまとめたのが本書である。

目次

第1章 プロテスタントとアメリカ
第2章 プロテスタント大分裂
第3章 リベラルの時代
第4章 宗教右派は何を求めているのか
第5章 宗教右派の勃興とモラル・マジョリティー
第6章 確立した宗教右派運動とキリスト教連合
第7章 ブッシュ政権と宗教右派の絶頂期
第8章 21世紀アメリカの宗教勢力地図
第9章 宗教右派の停滞と福音派の影響力

著者等紹介

飯山雅史[イイヤママサシ]
1957年生まれ。一橋大学社会学部卒業。米ジョージタウン大学国際関係大学院卒業。1980年に読売新聞に入社し、政治部、国際部などを経て、現在、読売新聞東京本社調査研究本部管理部長。専門はアメリカ、中南米地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

72
米国の政治に大きな影響力を持つという宗教右派についての本。宗教右派とは、公民権法の成立や女性の権利拡大が進んだ60年代に、ヒッピーやマリファナ等”行き過ぎたリベラル”に対し「伝統的な宗教的価値」の観点から強い危機感を抱いたキリスト教保守勢力で「過激な政治運動をする宗教指導者や団体をまとめて言うための総称」。本書では彼らが行き過ぎたリベラルに反発する国民意識も捉えて一大政治勢力となっていった過程を辿ります。その歴史から、植民地時代以来の米国の「宗教国家」としての側面を垣間見ることができ、興味深く読みました。2023/12/06

skunk_c

66
2008年刊なので、子ブッシュの時に注目を集めた宗教右派を解説しようということで出されたものと思う。著者はジャーナリストで、アメリカのキリスト教の宗派の解説とその勢力の変遷、支持政党の変化、さらには黒人やユダヤ人に関する解説もあり、14年たった現在読んでも十分通用する内容。オバマ、トランプ、バイデンと経って、一時ほど宗教右派が話題に上らなくなっているけれど、それも本書の推定する動きに符合していると思った。宗教右派が共和党保守派を牛耳ろうとしたが、「ミイラ取りがミイラ」になった印象。改訂新版を読みたい。2022/02/27

coolflat

12
宗教右派だけでなく、アメリカの保守・リベラル、即ちアメリカ政治の本質まで理解できる。福音派の歴史を見ると、アメリカ政治が見えてくる。白人福音派は南北戦争の敗北を期に民主党を支持し、またニューディール政策で、南部バプチストなど福音派は民主党支持をする。これが1970年代になると福音派は共和党陣営にこぞって移る。そのきっかけは1964年の公民権運動にある。人種差別を正当化していた南部白人と南部を拠点にした福音派が、公民権法成立後、人種差別撤廃を“押し付けた”民主党に反発し、共和党陣営に移っていったという事だ。2015/11/29

サトゥルヌスを喰らう吾輩

6
アメリカの歴史について関心があって読みました。調査の数字などはこの本の時点(2008年)と今でどう変わっているのか他の本も読んで勉強してみたいです。2019/05/18

鬼山とんぼ

4
私はバイデンもトランプも次の大統領選に出てこないと思うが、纏まった支持層がいない候補者同士の戦いならばなおさら人口の20%以上の信者がいる福音派の動向が無視できないと思っている。安倍射殺事件の原因となった統一教会も福音派で、なぜこの科学の時代に、先端を行く米国でこんな退嬰的な教義を持つ勢力が力を持つようになったか、一応きちんと理解したいと思った。政治力を巧みに利用して、台頭してきたんだな。キリスト教を奉じていても、学歴、所得の高い層は聖書を文字通り信じることが少なく中絶にもLGBTにも寛容と知り納得。2022/08/16

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