出版社内容情報
現代人のマナーは低下したと、嘆息する声が大きい。しかし、今ほどマナーに過敏な時代もない。気鋭の社会学者による〈反常識〉の一冊。
内容説明
電車内の暴力、ケータイ利用のトラブル…マナー悪化を憂える声は多いが、今ほどマナーを気遣い、監視の目が厳しい時もない。若者の人間関係を解読し、「マナー神経症」の処方箋を探る。
目次
第1章 マナーの悪い人びと?
第2章 仲間か否か―思いやりの落差
第3章 ケータイが仲間関係を不安定にするわけ
第4章 キャラ的人間関係のかよわい紐帯
第5章 「荒れる成人式」はなぜ起きるのか?
第6章 「優等生」の苦悩―「ひきこもり」を事例に
第7章 キレる「お客様」
終章 たかがマナー、されどマナー、でもやはりたかがマナー
著者等紹介
森真一[モリシンイチ]
1962年神戸市生まれ。皇学館大学文学部コミュニケーション学科助教授。専門は、知識社会学、理論社会学。神戸市外国語大学卒業後、関西学院大学社会学部卒業。同大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)
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感想・レビュー
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ろぶくん
12
著者はこれまで、人格崇拝の高度化・厳格化がなめらかな人間関係を生み出す一方で息苦しさも生んでいるという主張であった。本書ではそれをさらに拡げて、「マナー」「荒れる成人式」「キレるお客様」などを考察している。個人的には「荒れる成人式」「ひきこもり」「キレるお客様」の考察が勉強になった。内田樹氏の「下流社会」でも同じような話があったが、要するに今は、総「お客様」社会ということだと理解した。2020/12/28
てくてく
3
タイトルにひかれて読み始めたが、なかなかタイトルに関する項目にたどり着かず、一度本を閉じた。再読して、第6章ひきこもり、そして第7章のキレる「お客様」で、ようやくそれらしきことに入ってきたところで終わってしまったため、消化不良という感じ。2015/07/09
Arowana
3
なるほど、それぞれルールの異なる無数の内集団・外集団が重なりつつ散在している現状に加え、マナーのあり方が時代的に変化し続けている点とマナー神経症に陥っていることなどが大きな要因として考えられるというお話ですか。2013/05/13
mercury
2
面白そうなタイトルだったので読んでみたが、本の内容とタイトルが一致せず、最後まで読んだが「マナー神経症」とは何かさっぱり分からなかった。ちょっと編集の人も大変そうだなとまで思ってしまうレベル。2016/06/27
Pure
0
現代人はマナーが悪くなっているのか?を大きなテーマとして、現代人の抱える精神的病理性をあーでもないこーでもないと理屈を捏ね回し、その原因を探る。しかし、どれも自分の都合の良い立論であり、都合の悪い要素は敢えて見ないようにしているようで、説得力が乏しい。そして、原因探求ばかりで、対策は一切触れていないので物足りない。研究者でない一般人からすれば、原因よりも対策を知りたいのである。特に全体の論調としては、当然のことであり、こうなるのはやむを得ないのだという流れなので、じゃあどうするを聞きたくなる。2013/07/04