内容説明
車、ハイテク製品、食品、キャラクター商品…あらゆる種類の中国製ニセモノが世界中へ向けて出荷されている。本書は現地を含めた長期取材をもとに、日中間の裏面に横たわる経済問題に迫る。
目次
第1章 ニセモノ製品あふれる巨大市場
第2章 中国発のニセモノ製品が世界市場へ
第3章 「メイド・イン・ジャパン」は最良のブランド
第4章 ニセモノ製造企業との闘い
第5章 企業秘密の攻防とニセモノ被害防止技術
第6章 中国のCDは九〇%以上が海賊版
第7章 ニセモノ製品の歴史は繰り返す
著者等紹介
馬場錬成[ババレンセイ]
1940年東京都生まれ。東京理科大学理学部卒、65年読売新聞社入社。社会部、科学部、解説部記者を経て論説委員。2000年退社し、現在、科学ジャーナリスト。著作活動のほか「特定非営利活動法人21世紀構想研究会」理事長、科学技術政策研究所客員研究官、早稲田大学、東京理科大学講師として活躍中。内閣府重点分野推進戦略専門調査会委員、経済産業省、文部科学省の各種委員を務める
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感想・レビュー
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Humbaba
6
ものづくりというのは模倣から始まる.他者の作成したものを理解し,その上でそれを上回る物を作り上げる.その努力が続けられてきたからこそ,今のように社会は発展してきた.ただデッドコピーを作るだけでは,社会にとってマイナスの影響が大きい.それに対しては,毅然とした態度が必要となる.2012/08/05
おらひらお
3
2004年初版。基本的に中国における事例と日本側の対応を紹介したもの。第7章の「ニセモノ製品の歴史は繰り返す」では日本も以前は同じことをししていたことを指摘しています。ただ、有名メーカーもコスト削減の問題で中国で安く製作し、外で高く売り抜き、多くの利潤を得ているが、実際にはニセモノもホンモノも同じ国で同じ人が作っている可能性もあり、言葉にしにくいが釈然としないところもある。2012/01/26
毛御安
2
この本によって、なぜニセモノ商品があるかのを考えた。その原因が2つあると思った。一つ目は、お金のためである。それはどこかでお金が儲ければ、そこでニセモノ商品の足元が探せると考えた。二つ目は、国の財力である。創新性があっても、財力がないと、ニセモノ商品は比較的に低い開発費をかける。だから、ニセモノ商品は国家の財力や国際地位の表示が表すかもしれないと考えた。2016/05/19
きっちゅ
0
中国はニセモノだらけだ!2008/12/23
芽衣
0
中国人的にニセモノにも完全なニセモノとそっくりさんとでは罪の意識が異なるらしい。なぜこんなことになったかというと製造技術だけが先進国に追いついてしまったから。他国は研究開発の末に製造技術を獲得するのだが、先進国が工場を作ったり何なりしている内に技術力が上がっていった。しかし技術はあってもブランドも信頼もない、そこでニセモノという形でブランドに乗っかることで売っていこうという話のようだ。この本は20年前に書かれたので、現代ではどうなのだろう?2023/09/30