内容説明
国債暴落説は「狼が来るぞ」と叫ぶ少年の寓話に似ている。騒いでいる間は来ず、忘れた頃にやってくる。実態がよく理解されていないこの問題の解説を通して、日本経済再生のシナリオを示す。
目次
第1章 国債暴落という狼はいつやってくるか
第2章 大恐慌期のアメリカという前例
第3章 暴落はすぐ起きるのか
第4章 日本の適正金利水準はどのくらいか
第5章 破局回避のために―国債管理政策の重要性
第6章 経済再生まで日本はあと何年かかるか
第7章 国債と信任
著者等紹介
高田創[タカタハジメ]
1958年、神奈川県生まれ。東京大学経済学部卒。日本興業銀行入行後、国債営業部、市場営業部、オックスフォード大学留学(経済学修士)、現在、みずほ証券(元・興銀証券)投資戦略部長、チーフ・ストラテジスト
住友謙一[スミトモケンイチ]
1970年、高知県出身。東京大学工学部卒。日本興業銀行入行。現在、みずほ証券(元・興銀証券)投資戦略部、インベストメントアナリスト
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感想・レビュー
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KAZOO
96
これが出された当時(2001年)は、あまり気にしないで読んで、このようなこともあるかもしれないと思っていましたが、最近のマイナス金利の状況や、日本政府(特に安倍政権の)の財政赤字に対する危機感のなさを見ていると、実現性が近いのではないかと思い読み返しました。このような状況になれば国債保有の多い地方金融機関はじめ日本経済はデフォルト状態になると思われます。危機感を再認識しました。2016/04/21
中島直人
2
国債の累積をバブル経済崩壊による構造的なものと捉え、大恐慌時のアメリカとの比較から調整には二十年以上かかると10年前に想定した作者の卓見に驚く。 また、国債暴落はバブル経済崩壊に伴う構造改革が収束し、景気回復への期待が生まれた時点で危険性が増すと想定し、適切な国債管理体制の構築が不可欠とする指摘も十分首肯出来る。 ただ、政治の混迷や震災の影響、欧米の金融面での混乱等も有り、更に不確定要素が増している状況を鑑みると、日本がソフトランディングできるかどうかは全く予断を許さないと思われる。2012/02/13
calaf
2
1929年の世界恐慌以降30年ほどのアメリカとの類似性2007/10/02
さわでぃ
1
TLで名前が出ていたので読んでみた。政府債務の大きさから時折囁かれる「日本国債暴落説」であるが、本書は実務家の視点から「もし、日本国債が暴落するとしたらどのような場合か」を様々な角度から検証し、国債暴落の可能性について論じている点で、非常に丁寧かつ説得力がある。2013/01/17