出版社内容情報
美味は北海道にあり! 無類の食いしん坊を自認し、道内に拠点を持つ発酵学の第一人者が、縦横無尽に綴るうまいもの尽くしエッセイ。
内容説明
春はニシン、ヤマワサビ。夏はウニ、ジャガイモ。秋はサケ、新米。冬はカニ、タラ。そして通年でジンギスカン、ラーメン…。北海道は、日本ばかりか世界でも有数の「食の王国」である。海・川・湖の幸、広大な大地の幸に恵まれ、食材本来の良さを生かした料理の数々は、私たちを魅了してやまない。無類の食いしん坊を自認し、北海道中を長年食べ歩いた発酵学の第一人者による、垂涎のうまいもの尽くしエッセイ。
目次
1 春の味覚(海が魚を背負ってくる;大地に萌える味 ほか)
2 夏の味覚(銀鱗飛び交う北の海;太陽と土と水の申し子たち ほか)
3 秋の味覚(豊饒の海に銀鱗が躍る;豊穣なる大地からの贈りもの ほか)
4 冬の味覚(凍れる海で魚介が肥える;越冬野菜と保存食の知恵 ほか)
5 通年の味覚(おらが道民の味自慢)
著者等紹介
小泉武夫[コイズミタケオ]
1943年(昭和18年)、福島県の酒造家に生まれる。東京農業大学農学部醸造学科卒業。農学博士。東京農業大学名誉教授。現在、福島大学、石川県立大学、島根県立大学、別府大学、鹿児島大学の客員教授を務める。専門は醸造学、発酵学、食文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
106
ある友人は北海道に魅せられて札幌に住み、暇を見ては車で道内を走り回って美味い物を食べ歩く生活を送っている。先日、コロナ禍でしばらく休んでいたが再開したと知らせてきた。彼のような人向けに格好のガイド本であり、次は何を食べに行こうかと楽しみにさせられる。極楽だの悶絶だの恍惚だのと遠慮なく連発するが、食材の由来や生産地ルポから料理法や食べ方まで実に面白く書くのだ。お世辞にも食通ではない自分も、そんな気にさせてしまう小泉先生の筆力を堪能させられる。いっそカラーのムック本で発行すれば、もっと広く売れたのではないか。2022/05/21
アキ
104
今夏に北海道で旬を味わうために読了。本書で春夏秋冬の季節毎の食材を紹介してくれていて、読んでいるだけでほっぺたが落ちそうになる。夏の味覚は、「海のルビー」北海シマエビ、積丹エリアの赤白ウニ丼、毛ガニとタラバガニ、新ジャガバター、ゆでトウモロコシ、ニンジンジュース、スルメイカの鉄砲焼き、メロンジュース、農家レストランでのトウモロコシとトマトのスープ、極め付きは「サーモンファクトリー」で夏限定のウニラーメン。季節関係なしのジンギスカン、北海道小麦の手づくりパン、酪農王国の山のチーズ等、挙げだしたらきりがない。2022/06/06
サケ太
23
よだれの出る一冊。ホッキガイ、ニシン、ウニ、ちゃんちゃん焼き、そば、ラーメンをめちゃくちゃ食べたくなる。著者は初読みだが、これは北海道に行くしかないのでは?2022/03/26
ようはん
21
北海道といえば鮭、イクラにトウモロコシやジャガイモといった食材にジンギスカンや札幌ラーメン等の名物を思い出す。しかし小泉先生の手にかかれば春先のニシンを山々に生えてくる山ワサビで…北海道の居酒屋では茹でたジャガイモにバターのみならずイカの塩辛も挟む…等北海道の食に関しては幅広くかなり濃い内容に仕上がってしまう。2022/06/04
Tomomi Yazaki
20
東京在住ながら、北海道フード名誉アドバイザーの称号を承った小泉先生。それに応えるべく、なんと北海道にマンションを買ってしまう。北は北海道から南は沖縄まで、全国津々浦々と美味しい食材を求め渡る先生の、面目躍如たる所以である。鮭、ニシン、ホタテを始め、聞いたこともない海の幸のオンパレード。そして先生の独特な美味しさ表現は、いつにも増して食材への興味をそそる。山の幸も侮れない。爽やかな苦みのフキノトウ。昆布も絶品。そして新じゃがも!畳み込むような食のラッシュ!味の、旨味の、美味の波に、飲み込まれちゃいました!2023/01/11