中公新書<br> 事大主義―日本・朝鮮・沖縄の「自虐と侮蔑」

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中公新書
事大主義―日本・朝鮮・沖縄の「自虐と侮蔑」

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  • サイズ 新書判/ページ数 240p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121025357
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C1221

出版社内容情報

事大主義とは、強者に追随して保身を図る態度である。国民性や民族性を示す言葉として、日本や朝鮮、沖縄で使われてきた。本書は、福沢諭吉、陸奥宗光、柳田国男、朴正煕、金日成、司馬遼太郎など、の政治家や知識人を事大主義の観点で論じ、時代の変遷を描く。日本への「島国根性」という批判や、沖縄への差別意識はどこに由来するのか。韓国と北朝鮮の相剋の背景は何か。自虐と侮蔑が交錯した東アジアの歴史が浮き彫りに。

内容説明

事大主義とは、強者に追随して保身を図る態度である。国民性や民族性を示す言葉として、日本や朝鮮、沖縄で使われてきた。本書は、福沢諭吉、陸奥宗光、柳田国男、朴正煕、金日成、司馬遼太郎などの政治家や知識人を事大主義の観点で論じ、時代の変遷を描く。日本への「島国根性」という批判や、沖縄への差別意識はどこに由来するのか。韓国と北朝鮮の相剋の背景は何か。自虐と侮蔑が交錯した東アジアの歴史が浮き彫りに。

目次

序章 「事大主義」という見方
第1章 「国民」の誕生と他者表象
第2章 反転する「事大主義」―他者喪失によるベクトルの内向
第3章 沖縄「事大主義」言説を追う―「島国」をめぐる認識の相克
第4章 戦後日本の超克対象として―「事大主義」イメージの再生
第5章 朝鮮半島への「輸出」―南北対立の中の事大主義言説
終章 “鏡”としての近現代東アジア

著者等紹介

室井康成[ムロイコウセイ]
1976年、東京都世田谷区生まれ。99年、国学院大学文学部文学科卒業。2009年、総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了。博士(文学)。蔚山大学校人文学部日本語日本学科講師、千葉大学地域観光創造センター特任教員を経て、2014年まで東京大学東洋文化研究所特任研究員。専攻は民俗学、近現代東アジアの思想と文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さとうしん

16
明治期の日本で朝鮮の政治状況を揶揄する言葉として生まれた「事大主義」がやがて日本、沖縄の状況を批判する言葉として用いられるようになり、更には戦後の朝鮮半島にも持ち込まれるといった変転を描く。本書は言葉がひとり歩きしていくとはどういうことかという良い見本となっている。最後の、現代日本では「事大主義」が「空気を読む」といった場合の「空気」という言葉に置き換えられ、未決の問題として残されているという指摘が重い。2019/06/28

かんがく

12
著者は民俗学者。琉球や朝鮮を称す際に用いられる「事大主義」というレッテル貼りがどのように変化していったのかが書かれる。朝鮮併合後、事大主義は日本自身に向かい、朝鮮独立後に再び朝鮮に向かう。東アジアがお互いに事大主義批判をしあう状況は、中華思想から脱却できていないと感じる。2020/06/28

Tomoichi

11
テーマは面白いのだがあれコレって岩波新書って感じる一冊。いつからアジア・太平洋戦争って言うようになったの?それなら大東亜戦争でいいやろって話。2022/08/18

パトラッシュ

9
いつの時代いかなる地域にも大国と小国が存在し、小国は大国の圧力下で生き残りに苦心する。「大に事(つか)える」とはその生き残りの知恵であり、外交政策であった。それを明治日本は「大国に従属する」との意味にねじ曲げて韓国併合の口実にしたため、戦後独立した南北朝鮮は互いに相手を事大主義の傀儡国家と非難するだけでなく、特に北朝鮮は国民を大量に餓死させてでも核兵器開発に突っ走る原因となった。一方で敗戦国となった日本は逆にアメリカに対して事大主義をとってきた。先日のトランプ訪日の大歓迎ぶりは、事大主義外交の極致だろう。2019/05/31

二人娘の父

8
保留にしていましたが、一夜明けて改めて感想を。率直に言ってタイトルと帯に期待したものは得られなかった。「事大主義」という言葉の使われ方が、近現代史のなかで時々によって変遷していく様は理解できるが、そのことをもって韓国や沖縄への差別的な態度を解きほぐすことには成功していない。むしろ終章の結論は、何が言いたいのかすらよく理解できない。取り上げたテーマとしては「面白い」とは思うが、これを中公新書が出版するほどのものか、という思いがよぎる。時を置いて再読すれば、印象もまた違うのかもしれないが...。2021/12/08

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