中公新書<br> 硫黄島―国策に翻弄された130年

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中公新書
硫黄島―国策に翻弄された130年

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121025258
  • NDC分類 213.6
  • Cコード C1221

出版社内容情報

小笠原諸島の南端に位置する硫黄列島。このエリアには複雑な日本近代史が刻み込まれている。南方地域への進出を鼓吹する言説(南進論)の盛り上がりにより、農業入植地となり、日米の戦いでは凄惨な戦場となった。その後は軍事基地として利用され、島民たちは島で暮らせない状況が続いている。その知られざる軌跡を位置づける試み。

石原俊[イシハラシュン]
著・文・その他

内容説明

小笠原群島の南方に位置する硫黄島。日本帝国が膨張するなか、無人島だったこの地も一九世紀末に領有され、入植・開発が進み、三〇年ほどで千人規模の人口を有するようになった。だが、一九四五年に日米両軍の凄惨な戦いの場となり、その後は米軍、続いて海上自衛隊の管理下に置かれた。冷戦終結後の今なお島民たちは、帰島できずにいる。時の国策のしわ寄せを受けた島をアジア太平洋の近現代史に位置づけ、描きだす。

目次

はじめに―そこに社会があった
第1章 発見・領有・入植―一六世紀~一九三〇年頃
第2章 プランテーション社会の諸相―一九三〇年頃~四四年
第3章 強制疎開と軍務動員―一九四四年
第4章 地上戦と島民たち―一九四五年
第5章 米軍占領と故郷喪失―一九四五~六八年
第6章 施政権返還と自衛隊基地化―一九六八年~現在
終章 硫黄島、戦後零年

著者等紹介

石原俊[イシハラシュン]
1974年、京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科(社会学専修)博士後期課程修了。博士(文学)。千葉大学助教、明治学院大学准教授、カリフォルニア大学ロサンゼルス校客員研究員などを経て、明治学院大学社会学部教授。専門は、社会学・歴史社会学・島嶼社会論。著書『近代日本と小笠原諸島―移動民の島々と帝国』(平凡社、2007年、第7回日本社会学会奨励賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばたやん@かみがた

57
よく聞く「先の大戦において日本国内で唯一地上戦を経験したのは沖縄」と言う言説。これが誤りであることは本書の舞台となった硫黄島や降伏後(!)の千島での戦闘を思い出せばわかる。では「唯一地上戦で民間人が巻き込まれた。」とすればどうか。これも誤りで硫黄島においては100人を超える島民が軍等の徴用により地上戦に巻き込まれ、僅か1割しか生還しなかった。この中には正式の徴用ではなく島を統べる拓殖会社幹部が発した偽りの命令により島に残留させられた人々もいる、という酷さである。著者は同島が本土防衛の「捨て石」と(続2019/05/05

skunk_c

43
これはすごい。カバーのすり鉢山星条旗に騙されてはいけない。硫黄島にかつて生活者がいて、戦争による疎開と徴用を受け、戦死し、あるいは日本で困窮し、施政権が日本に戻った後に帰島を望んでも未だかなわない。圧倒的に多い「硫黄島の戦い」に関する作品(映画も含む)に対し、「硫黄島の人たち」にきちんと焦点を当てた、ページ数をはるかに超えた労作だ。コカの栽培と海軍を通じた密売とか、プランテーションと呼ぶしかない農業経営とか、でも土壌と気候に恵まれ、食べていくことができた島。そこを奪われ、不作為の作為で時間切れを狙う政府。2019/01/31

おかむら

29
硫黄島というと、イーストウッドの映画で描かれた(もちろん観たとも)戦闘の島、火山帯のゴツゴツした不毛の地なイメージでしたが、戦前はそこに1000人以上の島民が暮らしてた! 明治時代の入植から始まる島の生活史に焦点を当てたこの本、戦後はアメリカ軍が返還後は自衛隊が駐屯してて一般人は住めないまま。まさに「国策に翻弄されまくった」島民たちの歴史。読み応えあり! ちょろっと出てくるアホウドリの撲殺とかコカの栽培とかの日本の南洋開発の闇部分も面白そうだなー。あと父島の先住民(欧米系)とかも!2019/03/08

Our Homeisland

26
ぜひ、できるだけ多くの人に読んで欲しいと強く思います。素晴らしい作品でした。私や硫黄島関係者がいつも言っている「激戦の島としではなく、戦前に豊かな生活があった島だということを多くの人に知ってもらい長く伝えていきたい。」という姿勢、方向と、完全に一致したアプローチで書かれていました。母が戦前硫黄島出身で親戚も何人か軍属として残らされて犠牲になっています。この本に出てくる一人は母の従兄弟で伊豆下田で民宿硫黄島をやっていたこともあってよく知っています。(感想を続けます。)2019/06/14

26
硫黄島の歴史をかつて島民だった方への丹念な取材を通して描いた本。明治期に移民先として開発され、砂糖やコカイン等の農場で奴隷のように働かされ、太平洋戦争の折には103人の島民が「偽徴用」され93人が地上戦で亡くなった。戦後は火山島という理由で帰島を願う島民たちの思いは無視され、那須等の移民先ではまたもや貧困と差別に苦しめられる。空襲で避難し、帰宅すると日本軍によって鶏から米からカボチャから食料は根こそぎ奪われていたという話がしんどい。2019/04/21

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