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中公新書
プロテスタンティズム―宗教改革から現代政治まで

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  • サイズ 新書判/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121024237
  • NDC分類 198.32
  • Cコード C1222

出版社内容情報

1517年のルターの宗教改革は何の始まりだったのか?ヨーロッパ、アメリカを席捲し、多種多様に分岐していった潮流を描き出す。

内容説明

1517年に神聖ローマ帝国での修道士マルティン・ルターによる討論の呼びかけは、キリスト教の権威を大きく揺るがした。その後、聖書の解釈を最重要視する思想潮流はプロテスタンティズムと呼ばれ、ナショナリズム、保守主義、リベラリズムなど多面的な顔を持つにいたった。世界に広まる中で、政治や文化にも強い影響を及ぼしているプロテスタンティズムについて歴史的背景とともに解説し、その内実を明らかにする。

目次

第1章 中世キリスト教世界と改革前夜
第2章 ハンマーの音は聞こえたのか
第3章 神聖ローマ帝国のリフォーム
第4章 宗教改革の終わり?
第5章 改革の改革へ
第6章 保守主義としてのプロテスタンティズム
第7章 リベラリズムとしてのプロテスタンティズム
終章 未完のプロジェクトとして

著者等紹介

深井智朗[フカイトモアキ]
1964年生まれ。アウクスブルク大学哲学・社会学部博士課程修了。Dr.Phil.(アウクスブルク大学)、博士(文学)京都大学。聖学院大学教授、金城学院大学教授を経て、東洋英和女学院大学人間科学部教授。著書、『超越と認識』(創文社、2004年、中村元賞受賞)、『十九世紀のドイツ・プロテスタンティズム』(教文館、2009年、日本ドイツ学会奨励賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yumiko

81
ルターの宗教改革から500年、何か読みたいなあと手にした一冊。難しかったら…と思っていたけれど幸いにして分かりやすく、なによりすごく面白かった。ルターが始めた宗教改革という解釈が先ず誤り。彼がしたかったのは問題提起。バチカンに楯突く気も新しい宗派を作る気もなかった。それがちょうど転換期にあった社会の流れに合致し、新しい潮流を生み出すこととなったのだ。対立する二派では?と頭を捻った「現代の保守主義、リベラリズムの源流」との帯文句も、読みやすく解き明かしてくれる。アメリカやドイツの国民性をも知れる良書。2017/11/10

佐島楓

71
自分の不勉強さが身に染みてわかった。そもそものところの宗教改革について誤ったイメージを抱いていたのが修正された。死後も政治的に利用されていた点など、ルターにとってはさぞ不本意だったろうと思う。読んでよかった。2017/04/24

おさむ

46
マルティン・ルターがカトリック教会の免罪符を批判し、「宗教改革」を訴えたのは1517年。それから500年が過ぎ、プロテスタンティズムは世界の多くの先進国に形を変えつつ広がった歴史をシンプルかつ合理的に紹介している良書。30年近く前に世界史の教科書で学んだ浅はかな知識が深化しました笑。プロイセンやヒトラーなどナショナリズムの高揚にルターが幾度も利用されたこと、プロテスタンティズムがドイツでは保守、米国ではリベラルの思想基盤となったことなど、政治と宗教、国家と宗教の在り方を考えるヒントも多数あります。2017/06/11

かごむし

39
ルター以降のプロテスタンティズムの流れを詳述する中で、カトリックとの関係、改革初期の社会状況を反映した権力者と一定の協力関係を持つ「古プロテスタンティズム」と、権力とは独自の距離を持つ「新プロテスタンティズム」の存在など、すっきりと輪郭が描かれる。具体的にプロテスタンティズムが16世紀以降のヨーロッパ、アメリカという国家、社会とどのような関係を持ってきたかがよくわかるし、特にルターが活躍したドイツでの政治と宗教の関係では、あのヒトラーも登場する。キリスト教の流れがよくわかる本であり、とても勉強になった。2017/12/08

skunk_c

38
ルターの贖宥状への宗教的疑問というささやかなカトリックの「リフォーム」が、教皇の権威によって彼を異端化しようとする動きによって、かえって「聖書主義」という革新となっていく歴史が、印刷技術との関連も含めて分かりやすく書かれていた。さらに「聖書主義」が「万人祭司」の立場に立つ以上、プロテスタントは必然的に多くの傍流を生むことになる。ドイツの旧プロテスタントが、政治的に保守でありながら宗教の多様性と共存を目指すという一貫性、アメリカの「新プロテスタント」とリベラリズム(リバタリアンもか?)の繋がりなど興味深い。2017/05/19

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