中公新書<br> ヒト―異端のサルの1億年

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中公新書
ヒト―異端のサルの1億年

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  • サイズ 新書判/ページ数 290p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121023902
  • NDC分類 469.2
  • Cコード C1245

出版社内容情報

アジアに生まれたサルがアフリカに到達、現生人類が誕生し、日本列島に到達する。裸で華奢な体を持つ異形の人類はなぜ生まれたか。

内容説明

1億年前、インドとマダガスカルからなるレムリア大陸で霊長類は産声を上げた。2000万年前には東南アジアの失われた大陸スンダランドで類人遠が進化し、アフリカに到達したその仲間からヒトが生まれる。華奢な骨格と裸の皮膚、巨大脳をもつ、異端なサル=現代人は、いつ、どこで生まれたのか。そして日本人の祖先はどこからやってきて、どこに行こうとしているのか。サルから日本人へのはるかな足跡を追う。

目次

第1章 起原はレムリア―マダガスカル・アンジアマンギラーナの森から
第2章 歌うオランウータン―ボルネオとスマトラの密林にて
第3章 笑うゴリラ―ヴィルンガ火山の高原より
第4章 類人猿第三世代のチンパンジーとアルディピテクス―タンガニーカ湖畔の森から
第5章 類人猿第四世代、鮮新世のアウストラロピテクス―ツァボ国立公園にて
第6章 ホモ・エレクトゥスとハンドアックスの謎―マサイマラから
第7章 格闘者ネアンデルタール
第8章 ホモ・サピエンスの起原―ナイヴァシャ湖にて
第9章 最後の漁撈採集民、日本人―宇和海の岸辺にて
終章 ほほえみの力

著者等紹介

島泰三[シマタイゾウ]
1946年、山口県下関市生まれ。下関西高等学校、東京大学理学部人類学科卒業。東京大学理学部大学院を経て、78年に(財)日本野生生物研究センターを設立、房総自然博物館館長、雑誌『にほんざる』編集長、天然記念物ニホンザルの生息地保護管理調査団(高宕山、臥牛山)主任調査員、国際協力事業団マダガスカル国派遣専門家(霊長類学指導)等を経て、NGO日本アイアイファンド代表。アイアイ生息地の保護につとめる。マダガスカル国第5等勲位シュバリエ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かごむし

26
読書の醍醐味は、網膜に映るだけの視界の狭さを、時を越えて、空間を越えて広げてくれることにあると思う。ヒトのルーツをたどるために、数千万年、また全世界を視界に入れるために、すさまじい距離までのズームアウトがなされる。その遠景から見た人類、また、自分自身という存在を見たときに、今まで見えなかったものがくっきりと見えてきたような気がした。何かの観念の枠が外れるきっかけになる本であることは間違いないと思う。ヒトは「裸という不適応形質を乗り越える苦闘によって」誕生した。生命の本質は苦闘を乗り越えて生きる力であろう。2016/10/09

魚京童!

17
頑張ってきたね。おめでとう。頑張ったね。よくやった。そんな言葉をかけてもらいたいのだろうか。それで満足なのだろうか。サルなんてどうでもいい。類人猿なんてサルの仲間だ。私はヒトだ。君らとは違うんだよ。ニュータイプなのだ。っていう話を永遠としてた。ずっとしていればいいと思う。そんなどうでもいい。世界は変わらない。だから変えるしかない。私の手で。そうしたら、私はどんな存在になるのだろうか。存在を消されるのだろう。ヒトである間でしか存在しえないのだ。神になってしまったらそれで終わりなのだ。存在してはいけないのだ。2020/01/21

勝浩1958

11
類人猿の起源はユーラシア大陸南東部で、ホモ・サピエンスの起源はアフリカであることを覚えておこう。それと、人類の生存にはイヌの存在は忘れてはならないのです。ネアンデルタール人は完全な寒冷地適応ができなくて絶滅したのですが、ホモ・サピエンスとは交配しています。日本列島は、世界でもまれに見る自然豊かな地であるようです。脳の発達の欠くことのできない必須脂肪酸やミネラルを多く含む魚介類を主食とすることとイヌの家畜化に成功したことで、ホモ・サピエンスは生き残ってきたようです。2016/11/26

武夫原

4
人類学的な内容を期待していましたが、本書はどうやらそういう意図ではないようですね。筆者のフィールドワークの場面や経験が書かれている部分がつまらないし、いらないです。各章が内容的に独立している感じで、ヒトの進化の歴史が分からないです。内容は薄いです。好奇心が刺激される内容ではありませんでした。2016/11/07

hajimemasite

3
『ゴリラに会いたい、それは子供の頃からの夢だった』こんな一文が飛び出るような霊長類の本、なのだが、ヒトというタイトルの割りに、霊長類の話が非常に長い、というか半分くらい霊長類の本。研究の進歩が盛んで十年前の学説が平気で技術的に否定される分野なので、このような概説が一望できる本が出てくれるのはうれしい。個人的には話には聞いていたものの、ミトコンドリアで否定されたネアンデルタール混血説が核ゲノム解析でまた復活している話の詳細が知れてよかった2017/12/05

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