中公新書
カラー版 スキマの植物の世界

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  • サイズ 新書判/ページ数 180p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121023117
  • NDC分類 472.1
  • Cコード C1245

内容説明

スキマには植物が満ちている。駅のホームのはじっこ、ビルの窓枠、車道の割れ目…。「なんでこんなところに?」と思うような場所にも旺盛に成長している。じつは植物たちにとってスキマは窮屈な住みかなどではなく、のびのびと暮らせる「楽園」なのだ。タンポポやミズヒキなど身近な植物から、ケヤキやポプラなど意外な植物、さらに里山や海辺、高山植物まで、百種類以上のスキマ植物をカラーで紹介。

目次

1 スキマの風景(額縁のヤブカラシ;囲いのスキマ―ヒルガオ ほか)
2 逃げ出してきたスキマの植物(イオノプシディウム;ハナニラ ほか)
3 帰化してきたスキマの植物(ニワゼキショウ;オランダミミナグサ ほか)
4 古くからの人里スキマの植物(スズメノヤリ;ヤエムグラ ほか)
5 海辺のスキマの植物(ハマボウフウ;タイトゴメ ほか)
6 高山のスキマの植物(イワツメクサ;ミヤマキンバイ ほか)

著者等紹介

塚谷裕一[ツカヤヒロカズ]
1964年鎌倉市生まれ。1988年、東京大学理学部卒。93年同大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。岡崎国立共同研究機構・基礎生物学研究所・統合バイオサイエンスセンター助教授を経て、東京大学大学院教授。専門は植物学で、薬の発生を司る遺伝子経路の解明を主たるテーマとしつつ、東南アジア熱帯雨林でのフィールド活動など、さまざまな角度から植物の“生”を研究している。日本学術振興会賞、松下幸之助花の万博記念奨励賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

101
スキマの植物図鑑に続く、同じ著者による第二弾。新書であるが、図番が大きくて使える。役にも立たない無駄なことも書いてあり楽しい。”中国大陸原産で、古くに日本に渡来した園芸植物。葵といえば、徳川家の紋章の場合はフタバアオイだが、花の葵は本種を指す。フタバアオイはウマノスズクサ科、本種はアオイ科で全く縁もゆかりもない。”これは「タチアオイ」の解説の冒頭。”薄紙を手で揉んでつくったような花弁の細工感が独特で・・”この感じ、いつもタチアオイの花を見て感じてた!ワルナスビの説明も面白かった。”名前の通りの悪い茄子。⇒2022/08/16

kinkin

78
『スキマの植物図鑑』の続編。街角のすこしのすき間に自分の陣地を構える植物が解説とともに紹介されている。前編を含めて出てくる植物は誰しも必ずどこかで見ているものがほとんどだと思う。雑草がほとんどという先入観があるが実は庭で育てているゼラニウム、ハーブ類、家庭菜園のゴーヤなどこぼれ種などで増えたものもかなり多いようだ。カラー写真で構成されている反面、特徴をきっちり描いた図鑑のような精緻さがほしいと感じた。2016/04/16

booklight

49
植物図鑑よりも街中感があり、みたことある植物がよく出てくる。葉の形がかわいいのは園芸種だったからかホウライシダ、奇妙な実がなるタケニグサ、縁取りの葉がかわいいイソギク、いわれてみればよく見るイヌビワなど。植物図鑑から一歩踏み出しているからか、日本タンポポも西洋タンポポもじつは総称で地方ごとにタンポポが分かれているとか、関東以東のヤブカラシは3倍体がほとんどなど、さらっと深いこともいっている。網羅的ということにこだわらない分、自由になっている解説も面白い。写真も自分で撮っているようで、街中感が面白い。2021/02/21

ホークス

48
三冊前の「スキマの植物の世界」と感想がテレコになり、この文は「スキマの植物図鑑」の感想です。建物や道路のスキマに生える植物写真が楽しい小図鑑。分類法や生態、原産地も詳しい。大木になる種、食用種、多くの園芸種がスキマに棲む。スミレは脂肪分の付いた種を蟻に運ばせ、巧妙に場所を確保する。自家受粉できるものや、茎の節々から根を下ろすもの。種が小さければスキマに入りやすく、キレイな花は駆除されにくい。様々な環境が多様性を育む。人間の多様性は、柔らかな思考に育まれるだろう。ピンクがナデシコの英語名とは知らなかった。2020/08/30

トムトム

44
見たことある!という植物がてんこもりです。雑草と言う名前の草はないと実感しました。塚谷教授の植物愛があふれていて面白い本でした。外来種と言わずに帰化植物という言葉を使うのも、好きです。現在の生態系は完成形ではなく、今後も常に変化していきます。結果、適応できれば勝ち!人間の一生レベルではなく地球のタイムスケールで考えれば何でもありです。でも目の前で何かが絶滅するのは、少し物悲しい。塚谷教授は「種が1種滅びるという事は、多様性・生き残りの可能性が1つ減ること」と言っていました。地球の生命は植物も私もみな兄弟!2021/02/08

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