中公新書<br> シュルレアリスム―終わりなき革命

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中公新書
シュルレアリスム―終わりなき革命

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121020949
  • NDC分類 702.06
  • Cコード C1270

内容説明

シュルレアリスム(超現実主義)は、第一次世界大戦後のパリで生まれ、世界に広まった文化運動である。若い詩人、文筆家、画家が導いた。戦争、共産主義、ファシズム、無意識、エロス、死、狂気などアクチュアルなテーマに取り組んで、近代文明の刷新をもくろむ。個人の壁、国境の壁を超えて多様な生の共存をめざしたその革命精神は、情報と物に充足する利己的な現代人に、いまだ厳しい批判を突きつけて、生き続けている。

目次

第1章 大戦争のなかで(怒り;戦争のなかの超現実 ほか)
第2章 シュルレアリスムの誕生(狂気と夢;自動記述 ほか)
第3章 近代都市のなかで(バタイユと不可能なもの;アラゴンと理想主義 ほか)
第4章 政治と芸術(イメージの政治学;政治的視野の拡大と深化 ほか)

著者等紹介

酒井健[サカイタケシ]
1954年、東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、同大学大学院へ進学。パリ大学でバタイユ論により博士号取得。現在、法政大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青蓮

84
シュルレアリスムの絵画が好きなので興味を惹かれて読みましたが、私には難しかったです。勉強不足を反省。第一次世界大戦をきっかけに生まれた「シュルレアリスム」という文化運動は様々な思想、哲学、フロイトの精神分析などと結び付いて発展していく。シュルレアリスムについて、もう少し色々な予備知識を増やしながら、また本書を再読したいし、ブルトンの「シュルレアリスム宣言」「ナジャ」にも挑戦したいです。「不可思議はつねに美しい、どのような不可思議も美しい、それどころか不可思議のほかに美しいものはない」2016/04/07

おおかみ

10
第一次世界大戦の経験と、近代理性主義への反発。シュルレアリストたちの歩みを一つずつ回顧することで、彼らが追求したものは何なのかを知る。ブルトンについての記述が中心で、フロイトの影響、ダダとの決裂、バタイユとの交流、そして政治との関わりを通じて、彼がいかにしてシュルレアリスム運動を展開したのかを追うことになる。バタイユやベンヤミンら思想家による評価が紹介されているのは本書特有かもしれない。2011/02/17

ネムル

9
バタイユ研究者によるシュルレアリスム本ということで、その著作からの引用が多いが、バタイユが苦手なので読むのに苦労した。シュルレアリスムに対する取り組みと、運動が落ち着いてからの後、文体論、『ナジャ』と『パリの農夫』という実作、等々の点からのアンドレ・ブルトンとルイ・アラゴンの比較が興味深い。2014/04/28

mstr_kk

8
これはシュルレアリスムの入門書として超良書なのでは。バタイユとの比較によって、「近代」というキーワードのもと、シュルレアリスムの可能性と限界が鮮やかに浮かび上がる。理論と実証性のどちらにも偏りすぎず、非常にバランスが良いと思う。とても勉強になった。2013/05/22

oDaDa

7
シュルレアリストたちというのは、マルクスが念頭に置いていたような共産主義革命の担い手、すなわち資本主義社会の下部を支える「プロレタリアート」であったことはなく、むしろこの社会の上部の人々、すなわちブルジョワジーの文化所産によって自己形成を果たし、またその文化所産を更新してゆく知識人エリートであった。にも関わらず、彼らが共産主義に関心をもったのは、出自や労働環境からではなく、実人生の外部の事柄に対して人道主義的な倫理観から反応してのことであった(p172から引用、一部改変)という記述は面白い。 2015/04/14

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