中公新書<br> イワシはどこへ消えたのか―魚の危機とレジーム・シフト

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中公新書
イワシはどこへ消えたのか―魚の危機とレジーム・シフト

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  • サイズ 新書判/ページ数 246p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121019912
  • NDC分類 663.6
  • Cコード C1236

出版社内容情報

イワシの水揚げ量はピーク時の一六〇分の一! いったい海で何が起きているのだろうか。食卓から考える水産資源と地球環境の未来

内容説明

イワシが獲れなくなった。全国水揚げ量はピーク時の一六〇分の一となり、すでに私たちにとって身近な魚とは言えなくなりつつある。一方で、サンマは豊漁が続いている。なぜこのようなことが起こるのか。本書は、一九九〇年代以降、定説となった「レジーム・シフト」による魚種交代という考え方をわかりやすく説明し、水産行政や地元産業への影響を通して、人類の共有財産である水産資源をどう守っていくかを考える。

目次

プロローグ レジーム・シフトの誕生
第1章 マイワシの巻
第2章 マサバの巻
第3章 アンコウの巻
第4章 スケソウの巻
第5章 サンマの巻
第6章 水産庁の巻
第7章 人間の巻
エピローグ レジーム・シフトの父

著者等紹介

本田良一[ホンダリョウイチ]
1959(昭和34)年、熊本県生まれ。82年、京都大学経済学部卒業。古河電工、北海道庁を経て、85年、北海道新聞社入社。根室支局、本社政治部、ハバロフスク駐在、東京支社政治経済部、モスクワ駐在、東京支社国際部、小樽支社報道部などを経て、現在、釧路支社報道部編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ビイーン

24
漁業問題は深いなあ。「レジーム・シフト」の入門書。日本の漁業について大いに考えさせられる。2019/05/18

たけふじ

2
「大気・海洋・海洋生態系からなる地球の基本構造が数十年間隔で転換すること」と定義されるレジームシフト。海洋資源も自然の一部である、という考えてみれば当たり前のことを無視して突き進んできた結果が今のサンマの不漁。見境なしにとり続ける漁業者。業界団体の顔色を見て「漁獲可能量(TAC)」を定める水産庁。サンマのTACはまともに見直されることもないまま2020年も変わらず26万トン。不漁は漁業者と行政の共犯によるもの、ということなんだろう。2020/11/29

yearning for peace

2
耳慣れない「レジームシフト」という言葉と共に、現在漁業と海洋が抱えている問題について、分かりやすく説明してくれている良書。コラムとして、漁法を紹介しているのも嬉しい。各国の意識レベルを合わせ、乱獲防止はもとより、レジームシフトと環境問題を土台にして、コモンズ政策の一環として捉えていかなければ、次代により良い食生活を営ませることはできなくなるだろう。食糧・資源・エネルギー・医療問題は、政争の具や過度なビジネスにしてはならない。2009/08/31

紙魚

2
乱獲は確かに重要なファクターではあるが、唯一のものではない。環境変化が漁種に影響を及ぼす。本書はそのレジームシフトに対する各地の漁協や水産庁の取り組みを分析する。水産行政や環境対策、ひいては一般市民の食の嗜好までふくめた幅広い言及で、読ませるものがある。公海での漁や回遊魚については国際的な問題ともなり、日本の今後の対応が気になる。2009/08/20

poppen

2
魚の水揚げ量の減少の半分の原因は乱獲だが、残りの半分は環境の変化であるレジーム・シフトにある、という書。地球温暖化という大きな環境の変化の中、水産資源をどう保護し育てていくかということが重要な時代になることを教えてくれる。2009/05/20

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