中公新書<br> 長州戦争―幕府瓦解への岐路

電子版価格
¥902
  • 電書あり
  • ポイントキャンペーン

中公新書
長州戦争―幕府瓦解への岐路

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 261p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121018403
  • NDC分類 210.58
  • Cコード C1221

内容説明

どんな戦争も後世へのメッセージを残している。長州戦争は徳川幕府の命取りとなった戦争である。勝利した長州藩は、後に『防長回天史』を編纂し、この戦争を明治維新への大きな一歩と位置づけた。しかし、幕府側はこの敗戦を総括するに至らず、敗戦の責任者すら明確ではない。幕府はなぜ戦争に踏み切り、どう戦って負けたのか。開戦前夜から敗戦処理までを克明に描き、長州戦争が現代に残したメッセージを読む。

目次

プロローグ 兵は凶器なり(長州戦争とは何か;長州戦争の開戦事情 ほか)
第1章 長州が朝敵になるまで(航海遠略策と公武周旋;尊攘激派の擡頭 ほか)
第2章 第一次征長―幕府の威令なお衰えず(長州征討令下る;四国艦隊の下関襲来 ほか)
第3章 江戸と山口―二つの主戦派(攘夷見直しのチャンス;江戸幕閣と一会桑政権 ほか)
第4章 第二次征長―四方面の戦闘(歴史と個人感情;大島口の戦闘 ほか)

著者等紹介

野口武彦[ノグチタケヒコ]
1937年(昭和12年)東京に生まれる。1962年、早稲田大学文学部卒業。その後、東京大学文学部に転じ、同大学院博士課程中退。神戸大学文学部教授を経て、文芸評論家。主な著書『江戸の歴史家』(筑摩書房、1979年、サントリー学芸賞)、『「源氏物語」を江戸から読む』(講談社、1985年、芸術選奨文部大臣賞)、『江戸の兵学思想』(中央公論社、1991年、和辻哲郎文化賞)、『幕末気分』(講談社、2002年、読売文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

55
巧みに原典史料を引用しながら、幕末の一焦点について軽妙な語り口で読ませる。とても面白い。前提となる幕末史も過不足なく分かりやすくまとめてあり、一気に読み終えた。慶喜についての評価はおそらくその結論の豹変ぶりからだと思うが、もう少し内面に踏み込んでいただけたら少し印象が変わったかも。また、四国艦隊下関砲撃事件の際の欧米側陸戦部隊の戦い方が、長州歩兵に大きな影響を与えたという史実が見当たらなかったのはちょっと残念。あの当時の日本としては革新的な歩兵隊の出現が、完膚なきまでの敗北からということは重要だと思うが。2021/05/03

とろとろ

25
「花燃ゆ」が最近面白くなってきた。ところが長州藩の政権がコロコロと変わるので、四境戦争(長州征伐)に至る最中に肝心の長州がそんなに政権が交代する時間と余裕があったのかしらと思い、そのあたりが詳しく解説されているらしき本書を読んでみる。なるほど通り一遍には行かない政治の妙と、ついでに一橋慶喜の性格がとてもリアルでたいへん参考になった。これで「花燃ゆ」が納得して楽しめる(^o^)。2015/09/07

レアル

22
大まかな歴史を知っていたので、総論的に分かり易かったが、各論としては私のレベルでは少し高度だった。より細かな歴史を振り返るには再読必要かな?2012/07/24

木賊

12
長州戦争について、幕府側視点からの総括を試みる。文献の引用も多いが、地の文のユーモアと緊迫感に引き込まれ、面白く読めた。私は特に幕府贔屓という訳ではないが、このように纏められると、幕府のぐだぐだ具合は思っていた以上で、ちょっと辛くなる。情勢を的確に把握出来ない。何かを遂行しようとしても、一度決めた筈の事がいとも簡単に覆される。全体を通して徳川慶喜への評価が辛いが、仕方がないのか。2024/01/17

印度 洋一郎

7
蛤御門の変と戊辰戦争の間に埋没しがちな、いわゆる長州征伐(長州側の呼称は四境戦争)を、その原因から背景に渡って幅広く考察、分析、検証した名著。第一次征伐に武力の示威だけで勝利した幕府が、幕権復活を目論んで第二次征伐に乗り出したが、この間にクーデターを経て藩論を統一し、軍制改革を断行して、近代軍に変わっていた長州軍によって、戦国以来の旧態依然とした軍備の幕軍は圧倒されてしまった。日本初の近代戦でもある。幕府側の内部分裂、長州側へ寝返る薩摩、そして背後に外国勢もあり、冷戦期の代理紛争を見るような構図だ。2014/01/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/487569
  • ご注意事項