中公新書
復興計画―幕末・明治の大火から阪神・淡路大震災まで

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  • サイズ 新書判/ページ数 270p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121018083
  • NDC分類 518.8
  • Cコード C1252

出版社内容情報

地震、戦争、大火、などによって、大きな災害に見舞われてきた日本の都市。復興計画の立案・実施を検証し、これから都市づくりを展望する。

内容説明

日本の都市は街路が狭く、木造家屋が密集し、公園などオープンスペースに乏しい歴史的な都市形態をしていることが多い。そのため、自然災害や大火などによって甚大な都市災害が引き起こされた。地震、戦争、そして明治以降頻発した大火で崩壊した諸都市は、どのような復興計画を立案し、実行してきたのか。安全で暮らしやすい都市環境の整備に知恵と努力を注いだ、近現代日本の復興の歴史を辿り、今後の都市づくりを展望する。

目次

第1章 幕末・明治の大火復興
第2章 関東大震災と帝都復興
第3章 一九三〇年代の都市計画と大火復興
第4章 防空、防火改修、建物疎開
第5章 戦災復興事業
第6章 都市の不燃化、耐火建築の促進
第7章 阪神・淡路大震災の復興計画

著者等紹介

越沢明[コシザワアキラ]
1952年(昭和27年)生まれ。東京大学工学部都市工学科卒業、同大学院博士課程修了、工学博士(東京大学)。行政経験を経て、北海道大学大学院工学研究科教授。国土交通省の社会資本整備審議会委員、同都市計画・歴史的風土分科会会長代理、同歴史的風土部会長、交通政策審議会臨時委員。内閣府中央防災会議専門委員。アジア経済研究所発展途上国研究奨励賞、日本都市計画学会石川賞、土木学会著作賞、日本不動産学会著作賞、環境情報科学センター特別賞など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モリータ

12
◆2005年刊。「本書は明治以後、わが国が近代国家として歩みはじめるなかで都市災害が発生した後、復興の都市計画にどのように取り組んできたのか、その全体像と努力の足跡を明らかにしたものである。(p.ⅳ)」◆章立て:①幕末・明治の大火復興/②関東大震災と帝都復興/③一九三〇年代の都市計画と大火復興/④防空、防火改修、建物疎開/⑤戦災復興事業/⑥都市の不燃化、耐火建築の促進/⑦阪神・淡路大震災の復興計画2022/01/14

ホークムーンmk2

4
日本は地震やその他の自然災害、戦災など幾多の災害にあい、そこからたくましく復活する歴史の繰り返しだと思う。その街の復興には様々な事情が複雑に絡み合うのだが、やはり最大のハードルは費用の問題だ。ただし、街にはその街の格があり、それに見合ったものでなければいけない。勿論掛ける金額の多さが街の格を決めるわけではないのは当然だが、得てしてこういうことは知識の無さから来る無理解という抵抗に会う可能性が高い。 越澤先生の本を読むと都市計画や街の災害からの復興の計画が如何に大事か教えてくれる。2018/01/23

tkmt

2
現在、都市のランドマークになっている箇所の多くは災害復興事業により誕生したものである。そうした過去の歴史を繙くと、日本における都市計画の受難が見えてくる。土地の権利の主張が強いこの国では、都市の根本的な機能の改善は災害時にしか行うことができない。行政があの手この手で都市計画を推進しようとするも、財政上の都合や住民の反対により計画が縮小していく…代表的な失敗都市が東京であり、明らかに住みにくく効率の悪い街となってしまった。本を読んでいると知らない人名や制度が多く、時間をかけてゆっくりと勉強していきたい。2021/07/09

がくた

1
日本が復興に関して経験が豊かでありまた直近に阪神淡路大震災からの見事な復興があるのを知り、心強く思う。2011/03/27

naof

1
「復旧」は元に戻すことだが「復興」には新たな質・水準を加える意味が含まれる。とにかく早い復旧が望まれる傾向にあるが,復興のビジョンは冷静かつ純粋になって被害状況を見つめ(目に見える被害だけでなく精神的な部分も含め),一度リセットした方がよい今までの常識・慣習はないか見極める所から始めなくては危険だ。その手順をきちんと踏めば社会はより洗練されたものになっていくのだと思う。2011/03/25

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