中公新書<br> 子どもという価値―少子化時代の女性の心理

中公新書
子どもという価値―少子化時代の女性の心理

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  • サイズ 新書判/ページ数 236p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121015884
  • NDC分類 367.21
  • Cコード C1236

内容説明

90年代以降、少子化は社会的問題としてさまざまな議論を呼んできた。しかしそこには、少子化が出産・結婚をめぐる女性の心理の問題であるという認識が欠けている。日本では「親子は一心同体」とその絆を強調されるが、そうした考え方もいまや普遍的とは言えず、変化してきている。現在「子どもをもつ」とはどういう意味があると考えられているのか。少子化を心の問題として捉える人口心理学を提唱、その視点から考える。

目次

1章 「子どもの価値」展望―子どもの価値の古今東西
2章 人類初の人口革命―子どもの命と親の愛情の変質
3章 「なぜ子どもを産むか」―「つくる」時代の子どもの価値
4章 人口革命下の女性の生活と心の変化―子どもの価値・産む理由の変化の背景
5章 子どもを“つくる”時代の問題

著者等紹介

柏木恵子[カシワギケイコ]
1932年(昭和7年)、千葉県に生まれる。東京女子大学文学部卒業。東京大学大学院教育心理学博士課程修了。教育学博士。現在、白百合女子大学教授。東京女子大学名誉教授。専攻は発達心理学
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

katoyann

15
子どもは「つくる」こと、つまり選択の対象になったということに子どもの価値の大転換を見出す心理学の秀作。女性が個人としての幸福を追求するという価値観の変化に触れながら、子のために犠牲になる母親像は過去の遺物であると指摘する。それゆえ、性別役割分業は女性の負担感を増す一方で少子化に拍車をかける根本原因であるという。 そしてこの著書のオリジナリティは、ジェンダーの平等を大前提とした上で、子どもが選択の対象だからこそ起こりがちな「子どもの私的所有物化」に警鐘を鳴らしたところにあろう。今の状況を予知する名著。2021/06/19

てくてく

2
発達心理学研究者である著者が、前提としていた「子どもには価値がある」とは普遍的なことなのか疑念を抱き、そこから人口学や社会人類学などの知見を踏まえ、時代や国で異なる子どもの価値を考察したもの。少子化が問題視されているが、そもそも子どもへの価値などが過去とは異なっていることを踏まえる必要があるという主張、子どもの性別の好みなどはこの本の出版から10年近く過ぎているため、すでによく知られていることではあるが、子ども関係のテキストとしては今でもすすめることができると思う。<おすすめ>2014/10/23

かなで

1
子どもを産むということについて、へーそうなんだー!と新しい発見があった。例えば、昔は「授かる」ものだったが、今は「つくる」ものになったとか、そういうことを意識したことがなかったので、そういう変遷があるのか―と学び。私は子供を産むことは親のエゴなのではないかと思っていたけれど、「つくる」時代になったから私もそう思うのだろうなと。購入してもいいなと思える本でした。/34冊目2020/11/10

tooka

1
子供をもつことが技術の進歩によって神の手から人の手に渡り選択(管理)できるようになったことで多産多死型から多産少死型へ移行したこと、寿命が長くなったことによるライフスタイルの変化(子供を育て終わっても人生は続く)ことから子供をめぐる考え方は変革期にある。その変革を阻害している原因のひとつが性別分業(という価値観から派生する世間からの圧力)である。仮説に基づいた立論をしていくため、データの提示が恣意的な気もするが問題提起としては悪くない。2012/01/31

hassy★

1
共働きでまだ子どもはいませんが、私の悩みに解答をもらった様な気がします。子どもが欲しい理由は人それぞれですが、私は自分が生きた証として子どもが欲しいです。子どもって、自分の遺伝子を次代に残してくれるものでしょう?私は、連綿と自分の遺伝子が未来に紡がれていくことに感動を覚えます。私自身がそうやって紡がれた存在だと思うから。2012/01/28

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