中公新書
子どもはことばをからだで覚える―メロディから意味の世界へ

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  • サイズ 新書判/ページ数 189p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121015839
  • NDC分類 801.04
  • Cコード C1245

出版社内容情報

人は幼い子どもを育てるとき、うたを口ずさんであやしたり、大げさな赤ちゃん言葉で話しかけたりする。その無意識の行動こそ、実は子どもがことばを覚えるおおきな助けとなっているのだ。赤ちゃんはなぜモーツァルトが好きか? 手足をばたつかせることと喋れるようになることの関係は? 「行く」と「来る」の使い分けはどうやって身につく? など身近な話から、子どもが何を手がかりにことばを身につけるかを解き明かす。

内容説明

人は幼い子どもを育てるとき、うたを口ずさんであやしたり、大げさな赤ちゃん言葉で話しかけたりする。その無意識の行動こそ、実は子どもがことばを覚えるおおきな助けとなっているのだ。赤ちゃんはなぜモーツァルトが好きか?手足をばたつかせることと喋れるようになることの関係は?「行く」と「来る」の使い分けはどうやって身につく?など身近な話から、子どもが何を手がかりにことばを身につけるかを解き明かす。

目次

第1章 赤ちゃんはなぜ歌が好きか
第2章 記憶することのはじまり
第3章 発声はリズムにのって
第4章 「指さし」ができるようになる理由
第5章 ことばの意味はどのように把握されるのか
第6章 子どもはことばをからだで覚える

著者等紹介

正高信男[マサタカノブオ]
1954年(昭和29年)、大阪に生まれる。1978年、大阪大学人間科学部卒業。83年、同大学院人間科学研究科博士課程修了、学術博士。アメリカ国立衛生研究所(NIH)客員研究員、ドイツ・マックスプランク精神医学研究所研究員、京都大学霊長類研究所助手、東京大学理学部人類学教室助手を経て、現在、京都大学霊長類研究所助教授。専攻、比較行動学。著書『ことばの誕生―行動学からみた言語起源論』(紀伊国屋書店、1991年)。『ニホンザルの心を探る』(朝日選書、1992年)。『0歳児がことばを獲得するとき』(中公新書、1993年)。『なぜ、人間は蛇が嫌いか』(光文社、1994年)。『ヒトはなぜ子育てに悩むのか』(講談社現代新書、1995年)。『赤ちゃん誕生の科学』(PHP新書、1997年)。『いじめを許す心理』(岩波書店、1998年)。『育児と日本人』(岩波書店、1999年)。『老いはこうしてつくられる』(中公新書、2000年)ほか
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シルク

10
これ面白かったな。またその内再読しようっと。「出産前に繰り返し同一の童話を音読してやると、それをなじみのないストーリーと区別して知覚する……」(pp.4-5)ふむふむ。言葉の、あるまとまりが持つリズム、それへの馴染みの感覚。違うものを聞かされると「なんかちゃうぞ」と、ザラッと肌で違和感を感じる。そういうのって言葉を獲得していき、使いこなす力を磨いていく中でも、あるよな。赤ちゃんの時ではないけれど、3歳か4歳くらいの時、親に寝る前読んで貰う本が何冊かあった。寺村輝夫の「こまったさんシリーズ」はそのひとつ。2018/04/16

シルク

9
「うたい、話しかけてやることは、赤ちゃんにとって無条件に心地よいのだ。」(p.ⅲ)……こどもを産んだことはなく、身近に赤ちゃんがいたこともほぼ無くて、急に赤ちゃんと二人きりにされるとかなり戸惑うわたくしだ。10年前位に姉が赤ちゃん産んで、手伝いをしに泊まりに行って、「洗濯物干してくるから、この子よろしく」と、ホイッと姪を渡された時にはまごついた、まごついた(笑) ど、どう接したらええねん、と。結局知ってる童謡次々歌って、ネタ切れになると「キューティーハニー」歌ってた。けどまあ、それで良かったのでせう。2019/04/04

shizuca

6
専門外の実験内容、過程、結果を文字で理解するのは難しいなぁ。グラフに何度となく助けられました。赤ちゃんが言語を習得するのは、本当に不思議。聞こえたものと目にしたものが一致しているのか、「ブー」が指し示すのは「車」なのか「バス」なのか、それとも他のものなのか。他者への伝達は、大人でもネイティブ同士の会話ですら差異が生じるから、赤ちゃんや幼児に伝わらなくても当たり前だし、彼らの反応を確かめながら言語でのコミュニケーションをはかっていきたいなぁ。我が子で実験は、教授がよくやって、妻に怒られてたなぁ(笑)2015/09/14

Naota_t

5
#2053/★3.2/著者自身の論文をベースに書かれているため、内容は若干固い。中でもウィリアムズ症候群の記載が印象に残った。彼らは視空間認知に障害を持つ特異的な遺伝性の発達障害だ。そのため、描画に困難を覚えるケースが多い。本論とは外れるが、これはまさに『ケーキの切れない非行少年たち』で書かれていた内容に一致する。周囲の人は、その人の背景を理解した上で対応することが重要だろう。また「行く」「来る」の適切な使い分けが子供には難しいように、親は子供に対して具体的な会話・指示をしないといけないと思った。2024/01/17

カナトキ

2
"指差し"の章だけ以前つまみ読みをしたことがありましたが、今回やっと通しで読めました。子ども(胎児〜学齢児童 )が言葉を獲得するまでのプロセスを様々な先行研究と著者自身の研究を基に、歌やリズム、身体・運動性、認知、心の理論などからまとめ直した内容。 改めて言葉を扱うことの難しさ、それを獲得することの奇跡を知りました。2019/02/04

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