出版社内容情報
神武以来、連綿と続く万世一系の皇統の歴史を綴った書物として尊重されてきた『日本書紀』。戦後はそれに徹底的な批判が加えられ、王朝交替という、万世一系とは対立する古代史が提唱されるに至った。本書は『日本書紀』の神武天皇から武烈天皇までの物語を精細に読み解き、その叙述を貫く主題・構想や歴史認識を鮮やかにあぶり出す。律令制国家として新生した日本が描こうとした天皇と国家の歴史とはいかなるものか。
内容説明
神武以来、連綿と続く万世一系の皇統の歴史を綴った書物として尊重されてきた『日本書紀』。戦後はそれに徹底的な批判が加えられ、王朝交替という、万世一系とは対立する古代史が提唱されるに至った。本書は『日本書紀』の神武天皇から武烈天皇までの物語を精細に読み解き、その叙述を貫く主題・構想や歴史認識を鮮やかにあぶり出す。律令制国家として新生した日本が描こうとした天皇と国家の歴史とはいかなるものか。
目次
序章 万世一系と王朝交替と
1 律令制国家と天皇―その誕生の物語(イワレヒコの東征―神武天皇;神々のむすめとの蜜月―綏靖天皇~開化天皇(欠史八代)
ハツクニシラス天皇―崇神天皇・垂仁天皇
疾風、ヤマトタケル―景行天皇・成務天皇
皇后、海をわたる―仲哀天皇・神功皇后
胎中天皇の栄え―応神天皇)
2 中国的王朝―その興亡の物語(恋する聖天子―仁徳天皇;反乱、また反乱―履中・反正・允恭・安康天皇;大いに悪しき天皇―雄略天皇;繰り返される断絶と再生―清寧・顕宗・仁賢・武烈天皇)
終章 再び、万世一系と王朝交替と
著者等紹介
遠山美都男[トオヤマミツオ]
1957年(昭和32年)、東京都に生まれる。学習院大学文学部史学科卒業。同大学大学院人文科学研究科史学専攻博士後期課程を中途退学。学習院大学、立教大学、日本大学非常勤講師。97年、学習院大学より博士(史学)の学位を授与される。日本古代史専攻。著書に『大化改新』(中公新書)、『古代王権と大化改新―律令制国家成立前史』(雄山閣出版)、『壬申の乱―天皇誕生の神話と史実』(中公新書)、『白村江―古代東アジア大戦の謎』(講談社現代新書)、『彷徨の王権 聖武天皇』(角川選書)、『卑弥呼の正体』(洋泉社)、『聖徳太子はなぜ天皇になれなかったのか』(角川ソフィア文庫)など
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