中公新書
ガリレオの求職活動 ニュートンの家計簿―科学者たちの生活と仕事

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  • サイズ 新書判/ページ数 281p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121015488
  • NDC分類 402
  • Cコード C1240

内容説明

遠くギリシャ人が先鞭をつけた自然研究の伝統は、十数世紀にわたる中断・停滞の後、ルネサンス期によみがえる。しかしその担い手となった天才たちは科学を職業とすることができたわけではなかった。パトロンを求めて自薦状をしたためたダ・ビンチやガリレオ、聖職者だったコペルニクス、放浪の旅を続けたパラケルススら、現代につながる科学の土台を築き、科学が自立する道を拓いた先達の生活と仕事を描く。

目次

第1部 パトロンに仕える科学者たち(ルネサンス期の科学者たち;数学者たちのなりわい;天文学の開拓者;物理学の曙光;医学の世界)
第2部 パトロンから独立する科学者たち
第3部 職業科学者への道(科学者たちの職業;フランス革命とエコール・ポリテクニク;王立研究所)

著者等紹介

佐藤満彦[サトウミツヒコ]
1933(昭和8)年山形県鶴岡市出身。’56年東京大学理学部植物学科卒業。’62年同大学院博士課程修了。’64年都立大学理学部生物学教室勤務。助教授、教授を経て、’97年定年退職。現在、都立大学・明星大学・早稲田大学非常勤講師。理学博士。専攻は植物生理生化学。訳書に「西洋科学史」(共訳)「細胞の化学」「放射線生物学入門」ほか
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たくのみ

10
偉人伝では見えない別の顔を見せてくれる、科学者たちの裏面史。 パトロンとの強いつながり、職業科学者の発生、そして権力とつながる、フランス革命期。特に後半の、エコール・ポリテクニク(フランスの科学教育機関)と革命権力者の関係の話が面白い。宇宙世紀まで名前が残る、ラグランジュ、ラプラス、こんな人だったのかぁ。2014/08/23

左手爆弾

6
科学者の業績ではなく、生き方に注目した科学史。①パトロンに依存した科学者、②科学アカデミーや学会などでパトロンから独立した科学者、③国家と結びついた組織に所属する職業科学者の3つに類型化して、業績と生涯を紹介する。一つ一つの話は面白く、一般的に言われていること、例えば「それでも、地球は回っている」の真偽について資料的に説明したりしている。科学者の業績はその後の業績の中で不滅となるが、彼らの人生は語り継ぐものがいなければ消えてしまう。その意味では、貴重な本ではある。2015/02/08

bittersweet symphony

1
社会と科学者の関係性を伝記でたどるという着眼点的に一番興味深いのは革命期フランスのエコール・ポリテクニクと同時期の英国王立研究所という事になるのだけれども、その部分だけでは読者層を確保できないため、やむなく有名どころを絡めて新書の体裁にしたというのが実際のところではなかろうか。2017/10/28

富士さん

1
今は昔、科学史と科学哲学の違いも分からなかった頃に漠然とした興味で読んだ本。読み直してみると、ワタシのG.ガリレイ裁判の事情やI.ニュートンの人となりのイメージが多く本書に拠っている事を痛感した次第です。科学的真理は常に全ての人に志向され、それに奉仕している科学者は人格も高潔で行動も合理的だ、などという科学教徒は今日日いないと信じたいのでそこはスルーしますと、科学者の列伝をなぞりながら科学の職業化をたどるという内容ですが、肝心の職業化への著者の考えがおぼろげなので、どことなく物足りなさを感じました。2014/12/31

Riko

0
図書館で借りた2011/01/12

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