中公新書<br> 物語 スイスの歴史―知恵ある孤高の小国

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中公新書
物語 スイスの歴史―知恵ある孤高の小国

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  • サイズ 新書判/ページ数 268p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121015464
  • NDC分類 234.5
  • Cコード C1222

内容説明

ヨーロッパの中央に位置するスイスはユニークな国である。風光明媚な観光地として知られる一方、国民皆兵の永世中立国でもある。多言語・多文化の連邦国家で、各カントン(州)の自治権が強い。中央集権化に対する国民の反発は根深く、国連やEUにも加盟していない。こうした強烈な個性はどのように形作られたのか。内部分裂の危機と侵略の脅威にさらされつづけた歴史をひもとき、この国に息づく独立心の源をさぐる。

目次

第1章 カエサルからカール大帝へ―ケルト、ローマ、ゲルマン
第2章 神聖ローマ帝国―諸侯割拠の時代
第3章 スイス盟約者団の成立―原初三邦同盟から八邦同盟へ
第4章 対外膨脹の時代―強国スイス
第5章 宗教改革と対抗宗教改革―盟約者団の分裂の危機
第6章 アンシャン・レジームの時代―門閥寡頭政治の矛盾
第7章 変転するスイス―革命と復古
第8章 連邦国家への道―分離同盟戦争前後
第9章 すべては国民によって―合意民主主義へ
第10章 戦争と危機―両世界大戦間の苦悩
終章 21世紀の入り口に立って

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

112
スイスはヨーロッパの中で例外的存在である。EUには加盟せず、武装中立国である。中央集権を嫌い、各カントンが独立した主権を持ち、中世からのスイス盟約者団を憲法上は名乗っている。ウィリアム・テルやハイジなどステレオタイプに一切触れず、ケルト文化から古代ローマ、神聖ローマ帝国を経てハプスブルク家からの独立、宗教改革、フランス革命、第一次・第二次世界大戦を潜り抜けてきたスイスという小国の歴史の流れがわかる。ヨーロッパのあらゆる戦争で傭兵として最前線で戦ってきた歴史と中立は表裏の関係である。赤十字の由来も知れた。2023/01/14

KAZOO

88
スイスは若いころ滞在したことがあるので、この作者のもう少し詳しい本を読んだことがありました。ヨーロッパのほとんど真ん中にあるので昔から苦労している国だと思いました。第二次大戦でもよく永世中立を守れたものだと思います。そこのところがやはり一番面白いと思います。2015/10/08

24
古代から現代(2000年)までのスイスの長い歴史を250ページ程でサックリと纏めた新書。中央集権ではなく地域主権だったり、国家が傭兵派遣業を行っていたり、国民皆兵だったり。スイスは思っていた以上に独特の個性を持った国だった。アルプスの某少女しか頭になかったことを少し反省(笑)第二次大戦中のスイスの対応には負の部分があったとしても、自国を戦火から守ったという点では、優れた外交感覚を持っていたのではと思う。スイス傭兵の強さに中二心を刺激されたので、中世から近代の傭兵関連の本を読んでみたい。 2014/08/02

coolflat

15
125頁。三十年戦争中スイス領土はしばしば外国軍隊によって侵犯された。国境を保全するため国境防衛軍の創設が幾度か試みられたが、実現したのは三十年戦争の終結間際であった。1646、47年にスウェーデン軍がボーデン湖畔に進撃してきて、共同支配地トゥールガウが危機に瀕した。チューリヒ、ルツェルン、ウーリ、シュヴィーツの四邦が参謀会議を招集し、13邦の同意を得た初めての国防規定「ヴィール防衛軍協定」が締結された。これがスイス武装中立の出発点となった。そしてウェストファリア条約により国際法上スイスの独立が承認された2017/10/06

ピオリーヌ

7
読み応えあり。永世中立国として名の知られたスイスだが、あれだけの大国に囲まれながら独立を維持できた理由がいくつか伺い知れた。個人的にはナポレオン戦争後のエピソードが好み。ウィーン会議での「スイスの中立と安全がそのまま全ヨーロッパの安全保障になる」とい主張が容れられた形だが、そこにはナポレオンのエルバ島脱出が隠されている。連合国はスイスどころではなくなってしまったのだ。2019/06/27

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