中公新書<br> 思想史のなかの近代経済学―その思想的・形式的基盤

  • ポイントキャンペーン

中公新書
思想史のなかの近代経済学―その思想的・形式的基盤

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 200p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121014566
  • NDC分類 331.7
  • Cコード C1230

内容説明

近代経済学は、個々人や社会によって日々なされる経済活動を丹念に観察し、それを形式化することによって成立したのではない。総体的経験から経済現象を切り離す意識、即ち「科学」の成立によってはじめて可能となった。この科学的精神こそ啓蒙の哲学が明らかにした認識のあり方である。―本書は近代経済学の思想的基盤と共に、解析力学から具体的にどのようにしてそれが生成したのかを検証し、その限界も明らかにする試みである。

目次

第1章 近代経済学をさかのぼる(経済学自身の発見;啓蒙の哲学;方法論的個人主義 ほか)
第2章 近代経済学を創造する(消費者の理論;生産者の理論;完全競争均衡の理論 ほか)
第3章 近代経済学を政治化する(完全競争と独占、独占的競争;理論経済学と政治経済学;生産者の意思決定の分権化 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

89
はじめは近代経済学説史のようなイメージを抱いていましたが、哲学あるいは思想関連の内容が多い気がしました。なぜ近代経済学のような理論が生じてきたのかを説明してくれています。ですので一般的な概説のような感じで取り掛かると読みにくいかもしれません。ただこのような考え方もいわゆる技術だけの近代経済学といわれていることもあるので必要だと思います。2015/10/30

またの名

3
「想像界」「現実界」なんてラカン語が出てくるのは、思想絡みだから?(ふわっとした使い方で多分深い意味はない)啓蒙主義・功利主義・合理主義・古典力学・ダーウィニズム・社会契約説等が、陰に陽に近代経済学に及ぼした影響を考察。マルクスの貨幣論とソシュールの言語学とその他諸々を重ね合わせる現代思想的な読解の近経バージョン。本書で強調されているように、情念・快楽・欲望のエネルギーを思想的にも当然前提にして限界効用説は提出されているので、近代の発想ももちろん欲望を重視しており、改めて賞賛すべきものというわけでもない。2013/10/23

Hiro-ki

1
タイトルの通りの内容。思想史の見地から近経すなわちいわゆるミクロ経済学を検討することで、その特徴やいいとこ悪いとこをあぶり出そうというもの。下衆な自分的には『“見える”ミクロ経済学』とかに改題して笑、参考書な装いにして売ればよかったのかなとか思ったりする。というのも、経済学の視座から離れてミクロ経済学を俯瞰してみると、本当にその構造や意図が意外なほど見えてくるようになるから。少なくとも自分はこの本に説得されてミクロ経済学の理解が深まった。ただ後半の話は苦しくない?という気も。2012/01/29

kozo

0
要再読2011/12/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/100483
  • ご注意事項